蛇果─hebiichigo─

是我有病。

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羅杰。
芳紀二十三歳の砌に胡軍さんが主演なすった『ゴドーを待ちながら』の舞台について先日書きました
『ゴドー』の2年のちに出演された、同じく孟京輝氏演出によるジャン・ジュネ『バルコン(阳台)』。
2年まえに微博で分けていただいたお写真から(詳細はこちら→)、当時の舞台の映像が何処かに残っているらしいとは思っていましたが、見つけることができずにいました。
それがついこの3月25日にビリ動に上がっていたのを教えていただき。


【胡军】1993年孟京辉话剧【阳台】片段





たった12分強ではありますが、芳紀二十五歳の砌のはしたない大胸筋を堪能させていただきました。

『バルコン』は、岩波文庫にある言葉を借りれば「権力と幻想の表象ゲームが、『幻想館』の客と娼婦の性的演戯に変換され、革命を挫折させる」物語。叛乱軍が暴動を起こし、銃声響き渡る不穏な空気のなか、とある娼館で、さまざまな役柄に扮した客と娼婦のコスプレごっこが展開されていきます。
胡軍さんが演じたのは、水道工事屋でアンドロメダ地区の委員会(叛乱軍側)の男「ロジェ(羅杰)」。惚れた娼婦シャンタルを娼館から足抜けさせたものの、革命のアイコンとしてシャンタルを王宮のバルコンに立たせて歌わせようと考える叛乱軍に、「道路工事の女百人と引き換えに」彼女を引き渡してしまう。ダイアローグのはしばしから想像するに、上の映像はその場面を描く第6景のもののようです。
そしてこれよりも随分と短くなりますが、別の場面の映像もありました。


阳台片断





「軍臨天下・内部資料」(「軍臨天下」というのは胡軍さんのファンサイト的なもの)などとものものしく謳っているとこをみますと、もしかしてこれ外に出してはいけなかった映像なのかしら。たしかに、男どもによってたかってお洋服を脱がされて、白のデカパンいっちょうで“リパブリック讃歌”を朗々とおうたいになる胡軍さんは、あんまりおおっぴらに御開帳したくないかんじもします。『ゴドー』のときにつづいてここでもあしもとはおぼこい白ソックス。白ソックスに白デカパン、そんな居た堪れ無い衣装を裏切って何処までも如何わしい芳紀二十五歳の砌の肉体。
ちなみに『バルコン』終幕において、ロジェは自らの手で自らを去勢します。そうした場面がこの先に待っているのだとおもふと、金に糸目はつけねえから完整版を観てみたいというきもちにも、なろうというものじゃ無いですか。



スクリーンショット 2016-03-28 19.37.14.jpg


『バルコン』というお話は「演ずること」「役者であること」がテーマにもなっていて、ずきずきするような台詞が彼方此方に鏤められています。ご興味おありの向きはぜひ、お読みになってみてください。
個人的に胡軍さんの声で聞いて耳の穴を濡らしてなにかとちがう作品のふたりなんかに思い馳せてみたいロジェの台詞を、以下ちょっとだけ抜き書き。



愛しているよ、君の体、君の髪の毛、君の乳房、君の腹、腸(はらわた)も、体液も、君の匂いも、君のすべてを。
君は俺のものだ。


俺はシャンタルを引き離したのだ──引き離したのだ、墓穴から。ところがもう俺から逃げ出し、天に昇ろうという


お前を盗み出したのはな、一角獣や双頭の鷲にするためじゃなかった。
一角獣とじゃ、セックスはできないだろうが?


もう一分だけ。愛してる。俺の命より大事だ。まだ、夜は明けちゃいない。
俺には我慢できない、君なしでいることが。


君の優しさ、君の情愛はあまりにも強く、君を学校の授業のように厳しく、飢えのように辛く、氷の塊のように不屈のものにしている。
君は俺を包み込み、俺は君を体のなかに抱いている。


俺は、俺の選んだ役を、その運命のぎりぎりの突端まで、導く権利があるはずだ……いや、この俺の運命をだ……やつの運命と俺の運命とを、一つに合体させる権利が




【参考】
女中たち/バルコン
ジャン・ジュネ作 渡辺守章訳(岩波文庫刊)


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| 12:42 | Hu Jun(胡軍/フー・ジュン) | comments(2) | - |
歓迎光臨〜分享幸福・潘朶拉盒子。
Sさんからのいただきものシリーズ其の参は、『藍宇』ブツワールドにおける最大にして最凶の問題作。

ご存じの向きも多かろうと思いますが『藍宇』には、「台湾豪華珍蔵版」という徒花のようなものがかつて存在しました。「藍宇的北歐」さんによれば加長版DVD(注:製作者サイドに断り無く削除されたシーンを入れ込んで編集・発売し、訴訟騒ぎも起こしたイリーガル版『藍宇』)、サントラ、Tシャツ、マグカップ、キーホルダー、写真集をセットにしたもの。
それが「プレミアムBOX」という名称で売られていた、そんな時代もありました。
こちらがその匣の現物でございます。



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「靴箱か、はたまたケーキ箱か」と形容される、恰も陳捍東そのひとの如き、がっしりとたくましい漆黒の匣です。
おそるおそる、蓋をあけてみますと。
綺麗な男の子が匣いっぱいにぴったり収まって、
「ほう。」
とか言ってくれる、なんちゅうことは無くってですね。



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Sさんセレクトによる、めくるめく『藍宇』グッズ──珍蔵版セットからTシャツ、マグカップ、キーホルダー、写真集。そして2001年発売の限定セットからクリアポーチとノートブックと立体カレンダー。さらにSさん撮影の、各地イベントにおける胡軍さん劉さんのひとこまを捉えたスバラシイ生写真の数々──の詰め合わせが、ぴったりと収まっておりました。

珍蔵版より、まずは「写真集」をご紹介しましょう。
表1表4を染める藍色がうつくしい。



藍宇148 (1) -1.jpg藍宇149 (1) -1.jpg藍宇150 (1) -1.jpg藍宇151 (1) -1.jpg藍宇152 (1)-1.jpg藍宇153 (1) -1.jpg藍宇154 (1) -1.jpg藍宇155 (1) -1.jpg


「藍宇的北歐」さんのお言葉を借りれば「写真集とは名ばかりの、ただのスチールを集めただけの16頁の冊子」。事実まったくそのとおりなんですが、日本版DVDのリーフレットですら初版だけにしかつけてもらえなかったわしら藍宇ロスジェネ世代にしてみれば十二分にありがたく勿体無いお品です。
つづいては、「藍宇的北歐」さん曰くところの「使えないキーホルダー」。



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「実用」を重んずることすなわち「ブツは使ってなんぼ」が信条の乙女座的には、しかしこれは十二分に使えるお品ですぞ。
YOSHII FUNK LOVE(=吉井和哉さんFC)がくれる継続特典キーホルダーにくらべたら、ずんとしっかりした作りですぞ。
つまり「使えない」というのはキーホルダー本体に刻まれた裸体の男性ふたりが絡み合う、ちょっと居た堪れ無い意匠についてのことなのでしょうね。わしのMacの『藍宇』ひみつフォルダにぶっこんである各種海報を俯瞰してみますと、この裸体の男性ふたりが絡み合う意匠を使っているのは台湾版海報2種類のみ。つまり当時の台湾において『藍宇』という映画はまとめればこういうもんだ、とざっくり解釈されていたということなのでしょうね。それゆえ台湾製作であるところの珍蔵版グッズにおいても執拗にこの意匠が繰り返されているという次第です。「藍宇的北歐」さん曰くところの「見たくもないマグカップ」もそのひとつ。



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マグカップそのものはシンプルで、そこそこいいかんじの重みもあって、「ブツは使ってなんぼ」が信条の乙女座が毎日おいしくコーヒーをいただくぶんには十二分過ぎるほどに使えます。口にはこぶたんびに否応無しに目に入ってしまう、燦然と輝く黄金色でプリントされた裸体の男性ふたりの絡み合いを見なかったことにできればの話ですけれどもね。
ふたりのかたわらにはそれぞれ胡軍さん劉さんのサインが添えられています。



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えーつまりそのなんだ、右手をあげているリーゼントのひとが陳捍東で、がばと抱きついているほうのひとが藍宇なんだな。
などとうっかり思い込んでしまう粗忽者だって後を絶ちませんよ、こんなことをされた日にゃあ。なんで藍宇タイトルロゴとおふたりのサインだけにしといてくれん。いまさら私が悔やんだってあとのまつりですが、悔やんでも悔やみきれません。
さらに「藍宇的北歐」さん曰くところの「開けたことすらないTシャツ」に至っては。



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そでが無い。


「ブツは使ってなんぼ」が信条の乙女座ですが「わーい嬉しいー太極拳の稽古のときに着られるー」と浮かれてビニール袋からがさごそ出した瞬間に絶望。いちおう試着してみたんですけどね。二度と着るものか。これを着こなせるのはびっちびっちに大胸筋の発達したひと、喩えて言うなら捍東の浮気相手のマッチョくんぐらいなものです。

「这些东西,那些人穿着都不好看,就你穿还有个样儿。」

にやけたおっさんの台詞がきこえてくるようですよ。

加長版DVDみたいなものを勝手に作って勝手に出して怒られてしまう会社のしでかすことですから、こうしたやらでものひと手間も、ある意味商魂とサービス精神が綯い交ぜになった結果ということなのかも知れませんけれどもね。それとも予算的にそでに回すぶんの布きれが採れなかったのか。いまとなっては真相はわかりません。でもせめて、そでは、そでだけは、節約せずにつけてほしかった……。

そで問題で躓いていちゃあだめだ! なみだをふいて、次は2000部限定・特価299元(当時)の『藍宇』グッズセットです。「藍宇的北歐」さんによればその全貌は、こんなかんじになっております


これはたぶん、腰巻的なもの。

藍宇145 (1) -1.jpg藍宇146 (1)-1.jpg


そして『藍宇』ノートブック(罫線無し)。

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とどめは2002年版立体卓上カレンダー。
完成図がわからないので如何ともし難いのですが、これ実際に組み立てるとどういう形状になるのだろう。

【JANUARY 2002】





【FEBRUARY 2002】





【MARCH 2002】





【APRIL 2002】





【MAY 2002】





【JUNE 2002】





【JULY 2002】





【AUGUST 2002】





【SEPTEMBER 2002】





【OCTOBER 2002】





【NOVEMBER 2002】





【DECEMBER 2002】





カレンダーが収まっていた箱。





スチルの裏面に各月のカレンダーが印刷されています。2月が「Februry」になっていたりするあたりは大目に見てください。スチルとカレンダーは映画の時系列に沿って組み合わされているというわけじゃ無いのですが、6月はやっぱこのショットしか無いし締めの12月もやっぱこれだろという気がします。その点、加長版DVDみたいなものを勝手に作って勝手に出して怒られてしまう会社にしては良い仕事です。自分の生まれ月セプテンバーが初夜の事後シーンになっているあたりも個人的に褒めてやろう。


これまで「伝説」としてしか知る術の無かった魅惑の藍宇グッズワールドをまのあたりにし、手に取ってみて、2001年から2002年にかけてたしかにあった熱い時代を、僅かながらも追想することができました。
貴重な機会を下さったSさん。
あらためて、ほんとうにありがとうございました。


人類に災いをもたらすために創られた女パンドラが、けっしてあけてはならぬといわれた箱をあけたとき、ありとあらゆる厄災がこの世に飛び出したけれども、ただひとつ「エルピス(Elpis)」だけは箱のなかにとどまったといいます。
予兆、期待、あるいは希望と訳されるエルピスは、災い多き世界にあってつねにわたしたちに寄り添いつづけるものといわれています。
エルピスの真の姿が善なのか悪なのかということについては諸説あるようですが、すくなくとも『藍宇』という匣の奥底にわたしがみつけるものはいつだって文字どおりの「希望」。
それそのものです。
災い多き世界にただひとり取り残され老いてゆく男にとって、夭折の青年が、屹度そういうものであったように。

| 10:47 | 藍迷。 | comments(4) | - |
歳月流逝。
藍宇の中の人が本日、満38歳におなりあそばしました。
藍宇が死んだ年齢から十年、彼は歳を重ねました。
いくつになっても、
「おとなになったな」
としみじみ言いたいきもちになってしまうのはなぜかしら。胡軍さんにはそういうことほぼおもわない。23歳の砌からすでにおとなだからアダルツだからセクシーダイナマイツでいらっしゃるから胡軍さんは。しかしやっぱりこっちのひとは、じじいになっても永遠のこいぬ。
お誕生日おめでとう劉さん。





去年のいまじぶんは夜なべ缶バッジ職人をやってお誕生日をお祝いしましたが、今年はついさっきまでお仕事で青息吐息だったため、この一年、微博まわりであつめたお写真(自撮り含む)をまとめてみました。簡単でスマン。

5月に『爸爸去哪儿』第三季ご出演が発表され、諾一霓娜とともに雑誌の封面を飾られ、なにかと「おとうさん」な一年でした。役者としてのお仕事だってきっちりなさっているんですけど、丁晟導演の『解救吾先生』をのぞけば『追凶者也』も『我的战争』も『大轰炸』も、いまだ上映されておらぬというのがちょっとかなしい。たとえあちらで上映されたとしたって、とくに抗日戦争映画『大轰炸』と朝鮮戦争映画『我的战争』は日本公開の可能性なんか限り無くゼロパーセントじゃないか、というのがわかっているのでふつうにかなしい。『烈日灼心』(これも観たいのです)の曹保平導演が監督し、『最愛の子』の張譯さん共演の『追凶者也』が個人的にはいちばん楽しみなのですが、これだって地味な作品ぽいからねえ。

そんな次第なもんですからどうしたって思いは過去へと向かいがち。過ぐる3月20日、北京で『藍宇』15周年を記念した上映会が行われて藍迷の方たちが一堂に会したのだそうでああくそうらやましいわしだって参加したかったわい。こちらについてはあらためて記事にさせていただきたく思っております。とりいそぎ今朝がた微博で捕獲した劉さんの来し方をごっそりまとめた画像が非常な労作だったので謹んで転載させていただき、38歳生日を言祝いでまいる所存!














クリックすると大起来了もとい!おっきくなります。
@七七七月流火、多謝!

| 12:14 | Liu Ye(劉/リウ・イエ) | comments(2) | - |
歓迎光臨〜分享幸福・芳紀二十三歳之砌篇。
本日2016年3月18日をもちまして、胡軍さんがめでたく48歳におなりあそばしました。
ハッピイバースデイ胡軍さん!
今夜はちょっと高いビールをのんでお祝いさせていただきますですよ。
そして、折角ですからこの佳き日に、遡ること25年前、1991年の胡軍さんを偲んで見とう御座います。前回にひきつづきSさんからのいただきものシリーズ其の弐。



等待戈多

En Attendant Godot/Waiting For Godot
Samuel Beckett


等待戈多1142-1.jpg等待戈多1143-1.jpg等待戈多1144-1.jpg


孟京輝氏演出によるサミュエル・ベケット『ゴドーを待ちながら』。
中央戯劇学院で公演されたその舞台を収録したものです。
とてもとても有名な戯曲なのですが恥を忍んでうちあけますとこれまで読んだことが無く、上演舞台を観たこともありません。なのでずーっとふたり芝居だとばっか思っていました。そうでは無く、ざっくりこういうお話です。

田舎道。一本の木。夕暮れ。エストラゴンとヴラジーミルという二人組のホームレスが、救済者ゴドーを待ちながら、ひまつぶしに興じている。そこにやってきたのは……暴君ポッツォとその召使いラッキー、そして伝言をたずさえた男の子!
不条理演劇の最高傑作として名高い、ノーベル文学賞作家ベケットを代表する傑作戯曲。

『ゴドーを待ちながら』サミュエル・ベケット(白水社)

胡軍さんがヴラジーミルを、郭涛さんがエストラゴンを演じています。
胡軍さんはハロルド・ピンター『料理昇降機』(90年)、ウジェーヌ・イヨネスコ『禿の女歌手』(90年)につづく三度目の孟京輝演出作品。この2年後にジャン・ジュネの『バルコン』で四度目のタッグとなることは以前にも書きました。主演男優を舞台で脱がすことがたいへんおすきらしい孟京輝氏ですが、『ゴドー』においては胡軍さんは脱がされていません。なんだよちぇー。なんだよちぇーなかんじではありますが「素肌に直接ジャケット」というわしの大好物な出で立ちをしてくださっているのでもんくなどあるものか。もちろんお馴染みのはしたない大胸筋アンド胸毛もちらちらと小出しにサービスしてくださっています。あしもとが白いソックスというのもたまりませんね。


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1991年、胡軍さんは23歳。さすがにまだほっぺのあたりがういういしかったり(どうかするとちょっとせがれ康康の面影もよぎったり)おぐしがうねうね(笑)していたりしますが、表情や声の調子などはすでに「胡軍」として仕上がりかかっています。ああこのひとがのちに『東宮西宮』に出て、そしてそれから『藍宇』に出て、『無間序曲』に出て、『レッドクリフ』に出るわけなんだよなあ。そんな未来が待っているなんてことは、知る由も無いヤング胡軍さんであった──てな陳腐な言い回しはわしのプライドが許さんのであーる。そしてこちらが、ちょっとまえに微博で拾った『ゴドー』出演者の集合写真です。


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胡軍さんのうしろのひとの中戯ロゴTがいいかんじじゃ無いですか! 郭涛さん(ツーブロック)もほんとうにお若い。下は、24年を経た昨年6月、第18回上海国際映画祭で『烈日灼心』が最佳男演員奨(超、郭涛、段奕宏)を受賞した際のヴラジーミルとエストラゴン之図であります。


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エストラゴンの蝶タイをなおしてあげているっぽいヴラジーミル(やさしい
となりの超さんの(おっさんふたりで睦み合ってて居た堪れない俺です)みたいなびみょうなおかおも合わせておたのしみください。



このたびSさんにお譲りいただいたのは『孟京輝先锋戏剧作品』という4枚組のVCDボックスです。VCDゆえに画質もあまりよろしくはない。後半でいきなり画面が灰色の線で4分割されたりする。それも含めての天晴れ不条理劇か。しかし往事の胡軍さんを偲ぶには十分すぎるほどです。こちらはすでに入手がなかなか困難ではなかろうかと思いますが、『ゴドー』の動画はネットで視聴できます。こちら→
知ってるひとは疾うに知っているかも。すみません。知りませんでした。ついこないだまで。どうせ映像なんか残ってねえべーとか思って検索すらしてこなかったこの数年。ばかばかわたしの盆暗野郎。胡軍さんのお誕生日を機に心をいれかえ、清新なきもちでこれからも迷街道を邁進してまいる所存!


| 19:12 | Hu Jun(胡軍/フー・ジュン) | comments(2) | - |
歓迎光臨〜分享幸福・雑誌篇。
2月半ばのことでした。

プロフィールのとこに設置しているメールフォームを介して、見知らぬ方から一通のメールをいただきました。仮にお名前を「Sさん」としておきます。
Sさんは、『東宮西宮』で胡軍さん落ち→2001年11月の第2回東京フィルメックスで『藍宇』を観て蟻地獄にはまったという、いわば私などの大先達にあたる方でした。
映画祭やイベントに足繁く通い、大陸や台湾、香港に赴かれ、長年にわたってこつこつ蒐集されてきた『藍宇』まわり・胡軍さん劉さんまわりの雑誌やグッズなどを、ご家庭の事情で手放さなければならなくなった、とのことでした。しかし海外の雑誌などは古書店に引き取ってもらえず、もはや古紙回収に出すしか無いか、というときに検索で拙ブログを見つけて、長い時間をかけて記事を読んでくださったのだそうです。その上で、「よろしければそれらをお譲りしたいのですが、いかがでしょうか?」というお申し出だったのでした。
「こんな古いものを有り難がる人はいないだろうなあ」
と思いながら検索されたそうです。

いました。
有り難がる奴が此処にいましたよ!

プルプルふるえながら「いいいいいただかせてくださいッッッ!!」とお返事をしたためたところ、紙モノのほかに胡軍さん主演の映画や電視劇のVCDなんかも新たに発掘しましたので、ということで段ボール二箱分、まとめてどーんと送ってくださったのでした。
それが拙宅に届いたのが先週のきょう。
プルプルふるえながら開封するやいなや鼻から血を噴いてきぜつしていたのでちょっとご報告が遅くなりました。

御中元と御歳暮を十年分まとめていただいたような、それはそれはすんばらしい詰め合わせでした。
「けっして、けっして、こんりんざい紙地獄にははまるまいはまってたまるものか!」と己を戒めつつ紙モノを遠ざけた迷人生を送ってきたこの6年。そんな戒めなんかもはや済し崩しにぐずぐずという気もしないでもありませんが、お送りいただいた雑誌類は画像検索で表紙は見たことあるけどたぶんもう手に入らないかとても手に入れづらい、というような貴重なものでした。況んやVCDをや況んや『藍宇』まわりのグッズをや。
私自身はけっしてコレクター体質ではありませんし、むしろばかすか捨てるほうが得意といえば得意です。でも奇妙なことに『藍宇』という映画については、下記のような顛末で手許に集まってくる品々が多いのです。御縁としか、言いようがありません。

●歓迎光臨・藍色番外地。──『藍宇』其の燦拾
●藍宇的草紙。──『藍色宇宙 LAN YU FANBOOK』
●歓迎光臨〜偶然相逢、理所当然。

もともと拙ブログは、不完全乍ら『藍宇』に関する有形無形の私的アーカイヴを目指してみようという志の下に始めたものです。Sさんからいただいたお品についても(プライベートで撮られたお写真などを除いて)、ブログ上でご紹介させていただいてもよろしいでしょうかと伺いましたところ、ご快諾いただきました。重ね重ねありがとう存じます。という次第でまずは雑誌篇。以下ほぼ画像ばっかです。2002年から2005年にかけての、自分にとってはこのうえ無くフレッシュアンドフルーティーな若いふたり、でございます。


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| 14:56 | blanc et noir | comments(8) | - |
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