《爸爸去哪儿3》第2期20150717。
2015.07.27 Monday
朝も早よから「軒軒弟弟〜!!」という4歳児離れした林大竣の渋い塩辛声で幕を開ける陝西省楡林市二日目。
やっと感想文を書きました。
《听爸爸的话》第二期:刘烨解放天性疯狂接词 胡皓康专业坑爹语出惊人
爸爸去哪儿第三季之听爸爸的话:精彩片段
三々五々集まったおとうさんたちに下されたのは「劈叉」で朝めしをゲットせよという指令。
劈叉(picha)
(床運動・武術・軽業などで)両足を左右・前後一直線に広げて床に座るわざ。
(中日辞典)
太極拳でもおなじみの劈叉ですが、体が硬い私は当然まったくできません。
片足を動かさずに片足を伸ばし、ジュースのボトルを倒せば近い順にスープ、はるさめ、上にのっける具のお肉をもらえるというしくみです。あかるいどや顔で圧腿(yatui)を始める劉さんです。
そういえば『硬漢』の撮影のときにもきみは圧腿をやっていたっけねその顛末→■
おれはアクションだってできるんだぜというアピールでしょうか。「預備、開始〜!!」という大竣の塩辛声を合図にいの一番に挑戦し、これみよがしに長い足を活用してみごとスープをゲット。でもお肉を取ろうとして失敗。協議の結果、距離を縮めることになり、肉半分あげるかわりに胡軍さんに足を支えてもらってみごと成功。喜びのあまり抱きつく相手は林老師じゃなく胡軍師兄なのではないでしょうか。
劉さんの次にやって失敗した胡軍さんが康康にきびしく駄目を出されてストレッチの指導をされたり、大竣と康康の区別がまったくついておらず平然と名前を呼びまちがえながらも微塵も悪びれぬ天使笑顔の諾一だったり、いろいろありましたが皆さんどうにか朝食にありつきました。
ごはんのあとは、その夜に行われる村のお年寄り(かつての革命英雄)の結婚式のために、各父子にミッションが申し渡されます。
●林老師父子+クリスさん父子=村のこどもらのなかから演員を選び、結婚式の余興の抗日劇を創作・上演すること。
●鄒市明さん父子=ご当地子洲名物のお菓子・馃馅(guoxian)の振り売りでお金を稼ぎ、お嫁さんの婚礼衣装(ならびに夏天姐姐のドレス)を買ってくること。
●劉さん父子=じゃがいも1個を冷蔵庫1台と交換し、新郎新婦への贈りものにすること。
●胡軍さん父子=とうもろこし1本を液晶テレビ1台と交換し、新郎新婦への贈りものにすること。
胡軍さん父子、劉さん父子、鄒市明さん父子は地元のひとっぽい服装に着替えて出発することに。
ここで先日の「水管工と農民工」につながるわけなんですね。
まっとうな商いをしてお金をもらう鄒市明さんはともかくも、いくら中国で絶大な人気を誇るスター様とはいえ、じゃがいもととうもろこしを電器屋さんに持ってって冷蔵庫と液晶テレビ下さいと言ったところで「馬鹿なんですか?」で終わりです。
(「福娘童話集 きょうの日本昔話」より)
と、いうことなわけですね。第1期冒頭で諾一が観音様観音様言っていたのはわらしべ長者への伏線だったのですね。ま、そんなことはありませんね。
【胡軍さん】
じまんのバリトンヴォイスで実演販売の呼び込みを手伝って、お礼に洗剤をもらう。→もらった洗剤ととうもろこしを宝飾店で合成ダイヤモンドの指輪に交換してもらう。→たまたま入った電器屋のおかみさんが胡軍さんのファンだったおかげで液晶テレビと指輪を交換してもらえた!
【劉さん】
店員さんに媚を売ってじゃがいもを帆船の模型に交換してもらう。諾一がかわいらしいのでキャンディもせしめた。→店員さんに色目を使って帆船をお金に換える。→そのお金で80元のスキットルを買う。→諾一がかわいらしいので商店のおじいさんが憐れにおもってコーラをめぐんでくれた。→仏様のように慈悲深い電器屋さんにめぐりあい、媚を売ったり色目を使ったりしなくてもスキットルと冷蔵庫を交換してもらえた!
あにきイェ〜イ!!!
師兄師弟よろこびのハイタッチ。
わらしべ中にちょっと気になったのは、劉さんが諾一に昼ごはんを食べさせてなかったんじゃないかということです。胡軍さんは頭を使って康康にごはんを食べさせていたけれど(プライドの高い康康が、じつはおとうさんを気遣って「腹なんか、減ってねえやい!」[意訳]と言い捨てるのがこれまたカッコイイ)、劉さん父子にはそういう場面が無かった。諾一はもらった飴とか商店のおじいさんがめぐんでくれたコーラぐらいしか腹に入れていないんじゃないか。鄒市明さんとこのぽっちゃり巻き毛のくいしんぼう万歳・軒軒だったらばそんな苦行は1ミリとて耐えられない。地べたにひっくりかえって盛大に泣きわめいているところですが、諾一はどうも文句ひとついわない。道端で、埃をかぶったぬるいコーラをおとうさんにあけてもらってうれしそうにこくこく飲むさまがなんだか酷くいじらしくって、観ていてなみだがでましたよ。そんな苦労もいろいろあったけど、無事ミッションを達成し、帰途に就く車中でラブラブな父子ズ。
第2期ともなりますと、胡軍さん劉さん以外のおとうさんの個性もくっきりしてきておもしろいものです。
一年じゅう仕事ばかりで息子に接する時間がほとんど無いと言っていた林老師(涙もろい)は、きまじめに大竣の世話を焼き、きちんと躾をしようとがんばりすぎて大竣に反抗されてショックを受けたりしていますし。最初はどうなることかと思った結婚式の余興も、本番で人形を使ってお客さんの心をつかんでしまうクリスさんさすがだなという気がしましたし。そして意外というべきか、5人のおとうさんのなかで唯一芸能人じゃない鄒市明さんの佇まいがなにかもうすばらしく素敵。こちらの映像で鄒市明さんのプロモートをしているトップランク社CEOボブ・アラムさんが彼を評して、
He is a people person.
He is very very polite.
He is a gentleman, and he is a true sportsman.
と言っていますがほんとにそうなんだろうと思います。謝霆鋒さんをぼこぼこにして放置しましたみたいな風貌で(すみません)、めっちゃ身体能力高いのに劉さんみたいにバカ目立ちもせず、すみっこのほうで静かににこにこしているかんじがとても佳い。二六時中おなかをすかせてぐずったりわがままを言ったり盗み食いをしたり泣きだしたりするせがれ軒軒を、けっして声を荒らげて叱ったりせず、といって無闇に甘やかしもせず、息子が自然に機嫌を直して正しい行動をとれるよう、さりげなく導いている。錚々たるキャリアのすごいひとなんです。北京五輪・ロンドン五輪の金メダリストなんです。そのひとが陝西省楡林市子洲県の埃っぽい街道を、お菓子の入った籠をさげた天秤棒を担いで、売り声をあげながら飄々と往く。かっこいいったら無い。余談ですが嫁もちょっと貫地谷しほり似の美人だ。
そして勿論、かっこいいったら無いといえば胡軍さんにきまっています。
胡軍さんにしろ康康にしろお互いを気遣いあっているかんじを無器用に滲ませている父子で、とくに胡軍さんにしてみれば、初めていっしょに旅をする息子の旅先でのおとなびた振る舞いが意外でもあり嬉しくもあり、そして不憫におもってもいるのでしょう。夜、寝床のなかで息子に訥々と、諄々と愛を吐露する胡軍さん。第1期の感想文で「6歳の息子の6歳なりの面子をぜったいに潰さないように、ひとりの男として対応する」と書きましたけどまさにそのとおりのことを仰っていました。
人前で全面的におとうさんにデレたりはぜったいにしないけど、誰よりもおとうさんをかっこいいと思い、そっけないふうだけれどもおとうさんの言葉をきちんと受けとめているかんじの康康もとてもよい。
たとえばステージに立って聴衆を幻惑するのが仕事のロックスターなんかは所帯じみたところはぜったいに見せないでほしい、という方が多いと思うんですけど、このプログラムを観る限りは、
「このひとは、こんなにもかっこよいひとだったのか!」
と愕然とし腰抜かす勢いで惚れなおす、ということが毎週起きます。きっとこの先も起きるでしょう。とても楽しみです。
去る7月18日午後、今回のロケ地となった子洲において最大直径1センチの雹を伴う突発的な大雨が降りました。1時間40分で114ミリという雨量は洪水を引き起こし、25歳の女性の看護師さんが流されて亡くなりました。
子洲ロケの模様をお写真で伝えてくれた@子洲馃餡さんが、その瞬間の凄まじい映像を微博にあげていました。おとうさんたちもコメントを寄せています。
希望子洲平安度过(林永健)
人生无常,子洲平安!(胡軍)
This video is so sad. Please don't show it to your kids if they are too young. It will give them nightmares. Bless the souls of those washed away and their family who love them. (夏克立)
拍摄期间,我们父子在子洲受过当地民风的厚待,如今子洲面临着灾难,我有义务尽我所能。在此也呼吁朋友们,一起为子洲祈福,伸出双手帮助需要我们的老乡们!(鄒市明)
お悔やみ申し上げます。
やっと感想文を書きました。
《听爸爸的话》第二期:刘烨解放天性疯狂接词 胡皓康专业坑爹语出惊人
爸爸去哪儿第三季之听爸爸的话:精彩片段
三々五々集まったおとうさんたちに下されたのは「劈叉」で朝めしをゲットせよという指令。
劈叉(picha)
(床運動・武術・軽業などで)両足を左右・前後一直線に広げて床に座るわざ。
(中日辞典)
太極拳でもおなじみの劈叉ですが、体が硬い私は当然まったくできません。
片足を動かさずに片足を伸ばし、ジュースのボトルを倒せば近い順にスープ、はるさめ、上にのっける具のお肉をもらえるというしくみです。あかるいどや顔で圧腿(yatui)を始める劉さんです。
そういえば『硬漢』の撮影のときにもきみは圧腿をやっていたっけねその顛末→■
おれはアクションだってできるんだぜというアピールでしょうか。「預備、開始〜!!」という大竣の塩辛声を合図にいの一番に挑戦し、これみよがしに長い足を活用してみごとスープをゲット。でもお肉を取ろうとして失敗。協議の結果、距離を縮めることになり、肉半分あげるかわりに胡軍さんに足を支えてもらってみごと成功。喜びのあまり抱きつく相手は林老師じゃなく胡軍師兄なのではないでしょうか。
劉さんの次にやって失敗した胡軍さんが康康にきびしく駄目を出されてストレッチの指導をされたり、大竣と康康の区別がまったくついておらず平然と名前を呼びまちがえながらも微塵も悪びれぬ天使笑顔の諾一だったり、いろいろありましたが皆さんどうにか朝食にありつきました。
ごはんのあとは、その夜に行われる村のお年寄り(かつての革命英雄)の結婚式のために、各父子にミッションが申し渡されます。
●林老師父子+クリスさん父子=村のこどもらのなかから演員を選び、結婚式の余興の抗日劇を創作・上演すること。
●鄒市明さん父子=ご当地子洲名物のお菓子・馃馅(guoxian)の振り売りでお金を稼ぎ、お嫁さんの婚礼衣装(ならびに夏天姐姐のドレス)を買ってくること。
●劉さん父子=じゃがいも1個を冷蔵庫1台と交換し、新郎新婦への贈りものにすること。
●胡軍さん父子=とうもろこし1本を液晶テレビ1台と交換し、新郎新婦への贈りものにすること。
胡軍さん父子、劉さん父子、鄒市明さん父子は地元のひとっぽい服装に着替えて出発することに。
ここで先日の「水管工と農民工」につながるわけなんですね。
まっとうな商いをしてお金をもらう鄒市明さんはともかくも、いくら中国で絶大な人気を誇るスター様とはいえ、じゃがいもととうもろこしを電器屋さんに持ってって冷蔵庫と液晶テレビ下さいと言ったところで「馬鹿なんですか?」で終わりです。
むかしむかし、ある若者が、お寺で観音様にお願いをしました。
「どうか、お金持ちになれますように」
すると、観音様が言いました。
「ここを出て、始めにつかんだ物が、お前を金持ちにしてくれるだろう」
喜んだ若者は、お寺を出た途端、石につまずいてスッテンと転びました。
そしてそのひょうしに、一本のわらしべをつかみました。
(「福娘童話集 きょうの日本昔話」より)
と、いうことなわけですね。第1期冒頭で諾一が観音様観音様言っていたのはわらしべ長者への伏線だったのですね。ま、そんなことはありませんね。
【胡軍さん】
じまんのバリトンヴォイスで実演販売の呼び込みを手伝って、お礼に洗剤をもらう。→もらった洗剤ととうもろこしを宝飾店で合成ダイヤモンドの指輪に交換してもらう。→たまたま入った電器屋のおかみさんが胡軍さんのファンだったおかげで液晶テレビと指輪を交換してもらえた!
【劉さん】
店員さんに媚を売ってじゃがいもを帆船の模型に交換してもらう。諾一がかわいらしいのでキャンディもせしめた。→店員さんに色目を使って帆船をお金に換える。→そのお金で80元のスキットルを買う。→諾一がかわいらしいので商店のおじいさんが憐れにおもってコーラをめぐんでくれた。→仏様のように慈悲深い電器屋さんにめぐりあい、媚を売ったり色目を使ったりしなくてもスキットルと冷蔵庫を交換してもらえた!
あにきイェ〜イ!!!
師兄師弟よろこびのハイタッチ。
わらしべ中にちょっと気になったのは、劉さんが諾一に昼ごはんを食べさせてなかったんじゃないかということです。胡軍さんは頭を使って康康にごはんを食べさせていたけれど(プライドの高い康康が、じつはおとうさんを気遣って「腹なんか、減ってねえやい!」[意訳]と言い捨てるのがこれまたカッコイイ)、劉さん父子にはそういう場面が無かった。諾一はもらった飴とか商店のおじいさんがめぐんでくれたコーラぐらいしか腹に入れていないんじゃないか。鄒市明さんとこのぽっちゃり巻き毛のくいしんぼう万歳・軒軒だったらばそんな苦行は1ミリとて耐えられない。地べたにひっくりかえって盛大に泣きわめいているところですが、諾一はどうも文句ひとついわない。道端で、埃をかぶったぬるいコーラをおとうさんにあけてもらってうれしそうにこくこく飲むさまがなんだか酷くいじらしくって、観ていてなみだがでましたよ。そんな苦労もいろいろあったけど、無事ミッションを達成し、帰途に就く車中でラブラブな父子ズ。
第2期ともなりますと、胡軍さん劉さん以外のおとうさんの個性もくっきりしてきておもしろいものです。
一年じゅう仕事ばかりで息子に接する時間がほとんど無いと言っていた林老師(涙もろい)は、きまじめに大竣の世話を焼き、きちんと躾をしようとがんばりすぎて大竣に反抗されてショックを受けたりしていますし。最初はどうなることかと思った結婚式の余興も、本番で人形を使ってお客さんの心をつかんでしまうクリスさんさすがだなという気がしましたし。そして意外というべきか、5人のおとうさんのなかで唯一芸能人じゃない鄒市明さんの佇まいがなにかもうすばらしく素敵。こちらの映像で鄒市明さんのプロモートをしているトップランク社CEOボブ・アラムさんが彼を評して、
He is a people person.
He is very very polite.
He is a gentleman, and he is a true sportsman.
と言っていますがほんとにそうなんだろうと思います。謝霆鋒さんをぼこぼこにして放置しましたみたいな風貌で(すみません)、めっちゃ身体能力高いのに劉さんみたいにバカ目立ちもせず、すみっこのほうで静かににこにこしているかんじがとても佳い。二六時中おなかをすかせてぐずったりわがままを言ったり盗み食いをしたり泣きだしたりするせがれ軒軒を、けっして声を荒らげて叱ったりせず、といって無闇に甘やかしもせず、息子が自然に機嫌を直して正しい行動をとれるよう、さりげなく導いている。錚々たるキャリアのすごいひとなんです。北京五輪・ロンドン五輪の金メダリストなんです。そのひとが陝西省楡林市子洲県の埃っぽい街道を、お菓子の入った籠をさげた天秤棒を担いで、売り声をあげながら飄々と往く。かっこいいったら無い。余談ですが嫁もちょっと貫地谷しほり似の美人だ。
そして勿論、かっこいいったら無いといえば胡軍さんにきまっています。
胡軍さんにしろ康康にしろお互いを気遣いあっているかんじを無器用に滲ませている父子で、とくに胡軍さんにしてみれば、初めていっしょに旅をする息子の旅先でのおとなびた振る舞いが意外でもあり嬉しくもあり、そして不憫におもってもいるのでしょう。夜、寝床のなかで息子に訥々と、諄々と愛を吐露する胡軍さん。第1期の感想文で「6歳の息子の6歳なりの面子をぜったいに潰さないように、ひとりの男として対応する」と書きましたけどまさにそのとおりのことを仰っていました。
人前で全面的におとうさんにデレたりはぜったいにしないけど、誰よりもおとうさんをかっこいいと思い、そっけないふうだけれどもおとうさんの言葉をきちんと受けとめているかんじの康康もとてもよい。
たとえばステージに立って聴衆を幻惑するのが仕事のロックスターなんかは所帯じみたところはぜったいに見せないでほしい、という方が多いと思うんですけど、このプログラムを観る限りは、
「このひとは、こんなにもかっこよいひとだったのか!」
と愕然とし腰抜かす勢いで惚れなおす、ということが毎週起きます。きっとこの先も起きるでしょう。とても楽しみです。
去る7月18日午後、今回のロケ地となった子洲において最大直径1センチの雹を伴う突発的な大雨が降りました。1時間40分で114ミリという雨量は洪水を引き起こし、25歳の女性の看護師さんが流されて亡くなりました。
子洲ロケの模様をお写真で伝えてくれた@子洲馃餡さんが、その瞬間の凄まじい映像を微博にあげていました。おとうさんたちもコメントを寄せています。
希望子洲平安度过(林永健)
人生无常,子洲平安!(胡軍)
This video is so sad. Please don't show it to your kids if they are too young. It will give them nightmares. Bless the souls of those washed away and their family who love them. (夏克立)
拍摄期间,我们父子在子洲受过当地民风的厚待,如今子洲面临着灾难,我有义务尽我所能。在此也呼吁朋友们,一起为子洲祈福,伸出双手帮助需要我们的老乡们!(鄒市明)
お悔やみ申し上げます。