さてこそ美人病とは名づけけれ。
2015.02.23 Monday
ひとつ前の記事で書いた、曾て無い身体の異常ですが。
いろいろ調べてもらった結果、病名が判明し、本日正式に(笑)告知をいただきました。
生来、肝は太いが神経は細いわたくし。まっさきにダメージをくらうのはいつだって神経です。おそらく溜まりに溜まったストレスが引き金になって、どっかの神経がおかしくなったのであろうと思い、かかりつけの先生に紹介状書いてもらって某大病院の神経内科を受診しました。
でもね、神経じゃ無かったのでした。
MRIを撮っても脳には(脳内の血管も含めて)まったく異常が無く、血液検査でいともあっさり判明したその病気は
甲状腺機能亢進症。
ざっくりいえばバセドウ病。
ってことだった。
母がバセドウ病持ちなので最初に疑うべきでした。
しかし自覚する症状(暑がりである・疲れやすい・動悸がする・息切れがする)が、自律神経失調症とも更年期障害ともとれるもんだったから、気の持ちようとか適切な運動とか時間経過とかが解決してくれるだろうと思っていたのでした。生来肝は太いが神経は細く、そしてびみょうに詰めがあまい与太郎です。そんな与太郎がどうして病院を受診せねばと思ったかというと、昨年秋から突然、両足が、次いで両手が震えるという、どっからどうみてもやばいかんじの症状が出てきたからです。いまは亡き血縁の叔父がパーキンソン病だったから、「よ、よもやわしも……?」とさすがの与太郎も血の気が引き。
幸いなことに最初の検査でパーキンソン病の可能性は否定されました。そこで神経内科の先生は内臓の病気を疑い、二度の血液検査と甲状腺エコーと心電図とX線撮影を経て病名が明らかになったという次第。
バセドウ病は、免疫の仕組みに異常が起き、抗体TRAbが作られて甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを過剰につくりだし、甲状腺機能亢進症をひきおこす自己免疫疾患です。原因はよくわかっていません。甲状腺ホルモンの過剰分泌によって新陳代謝が活発になりすぎるため、身体は四六時中ジョギングしてるようなことになり、ちょっとのことでも息があがってしまいます。筋力がみるみる落ちていき、いままでかるがると駆け上がれた階段が、途中で休まなければ上れなくなる。睡眠時以外足は常に震えていて、ときどきひどく怠い。そしてふつうに食べているのに体重が減っていきます。
この一年ばかし体重を計測するのをさぼってて、ざっくり50キロぐらいだべと思って今日測ってみたら着衣で46.5キロという数字になっているもんだから魂消ます。
根治はしない病ですが、お薬をのめば症状は改善していくといいますし、日常生活を送る上でも困難なことは(いまのところ)ありません。
だがしかし、メルカゾールというこのお薬には、無顆粒球症(=白血球の中で細菌感染を防ぐためになくてはならない「顆粒球」が極端に減少する病気)をひきおこす副作用があるんだって。だから早期発見のために、最初の服用(つまりきょう)から2ヵ月ぐらいは原則として2週に1回、病院に行って血液検査を受けなければならないんだって。あーもーくそめんどくせえ。めんどくせえけどしょうがないですね。いますぐ致命的なことになる、もっと深刻な病じゃなかったことは不幸中の幸いです。心臓に負担がかかるため、甲状腺ホルモンの数値が安定するまでは太極拳も自粛です。いまのこの状態で太極拳をやることは限りなく自分の身体に負荷をかけるし、できないことをしようと無理をするし、やっていてもきっと愉しくない。すくなくとも自分の太極拳は、「無理」というものを排除したところから始まるものだと思っています。だから3月の大会も棄権することに決めたわ大口叩いた挙げ句にどうも御免なさい胡軍さん(笑)。
さてそしてやっと、冒頭の画像のお話ですが。
バセドウ病は一名を「美人病」というのだそうですよ。
美人が罹るからとか、罹れば美人になるからとか、なんだか胡散臭いことがいわれています。その根拠は以下のようなことにあるみたい。
●バセドウ病が美人病と言われる理由〜クレオパトラもそうだった?
●ちょっとだけ病気の話 クレオパトラの場合
美人薄命を体現した麗しの夏目雅子さんもバセドウ病だったのだそうですね。
私の場合はバセドウに罹病したからつって美人になる可能性はほぼナッシングですが、この半年、誰にもいえず苦しんできたこの厄介な病の名が「美人病」であったかというのは僅かなりとも気散じになるといいますか。暢気極まる自分で良かったー。