蛇果─hebiichigo─

是我有病。

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戯れ給ふさまいとをかしき妹背と見給へり。
ただいま火華社まわりでは、『花样爷爷』というテレビ番組が話題沸騰です。
東方衛星テレビが制作しているリアリティ・ショー(毎週日曜日21時10分より放映)で、平均年齢76歳超のじじい(爺爺)4人が青春にかえって弥次喜多道中をくりひろげるという趣向です。すべての旅程においてそのじじいらの挑夫(=辞書によれば「荷担ぎ人夫、ポーター」の意。奴隷みたいなものでしょうか)をつとめるのがわれらが社長・劉燁さんです。

爺爺ズはいずれも叩き上げのヴェテラン演員さんばかり。

秦漢
1946年生まれ、68歳。關錦鵬監督の『阮玲玉』で、阮玲玉の愛人の茶商人、唐季珊を演じてらっしゃいます。

曾江
1936年生まれ、79歳。香港の演員さんです。「ケネス・ツァン」というお名前のほうが馴染み深いのではないでしょうか。自分が香港映画にはまるきっかけとなった『男たちの挽歌』で、やくざから足を洗ってなんとか堅気になろうと努めるホーさんの力になってくれたタクシー会社の社長さん、キンさんを演ってらっしゃったあの御方!! そして『美少年の恋』では呉彦祖さん演ずるサムのおとうさんだったあの御方!!

雷恪生
1936年生まれ、78歳。中央戯劇学院表演系卒の、劉燁さんの大先輩です。

牛犇
1935年生まれ、79歳。『ラスト・ソルジャー』で「老者(孔子)」を演じてらしたというのですがすいません、1回しか観てないので覚えてなーい。

6月15日から放映が始まりましたので、もう6回を数えるんですが、お仕事ぱつぱつ月間にひっかかってしまっていたためぜんぜん視聴できていません。いませんが、7月20日オンエアの第6回は舐めるように観てしまいました。なぜならこの回でいよいよ爺爺ズが劉燁さんのニースの豪邸(笑)に突撃して、噂のこいぬ兄妹・劉諾一&劉霓娜と初の対面を果たしたからです!





子どもと動物が共演する之図なんかただでさえ卑怯きわまりないじゃないですか。劉燁さんちの兄妹は、子どもでありながらこいぬであるという卑怯可憐の玉手箱。おうちの門のとこまでママといっしょにお出迎えして、
「歓迎歓迎!(ほあんいんほあんいん!)」
とぴょんぴょんしながらおおはしゃぎしてるとこからもうもう、かわいくってもうもうもう(牛





久方ぶりにおとうさんに逢えた嬉しさも手伝って、ちょっと我をうしなってしまいがちなこいぬ兄妹。
爺爺ズにおみやげをいただいて、
「谢谢,爷爷 〜!!」
と声を揃えてお礼をいうこいぬ兄妹。
そんなこいぬらに手も無くめろめろの爺爺ズ。むろん私も完膚無き迄にめろめろにきまっています。そしてもうそのあとは萌えくるしい事態の釣瓶打ちで視聴からまる二日経ったがいまだに立ち直れません。その詳細な顛末などはたとえばこちら→なんかでご視聴プリーズ。とりいそぎ拙宅ではかわいいこいぬ2匹のこれくしょんに終始です。


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| 12:51 | こいぬこれくしょん。 | comments(6) | - |
藍宇的草紙。──『藍色宇宙 LAN YU FANBOOK』
颱風一過の藍天が眩しかった本日。
そしていきなりクッソ暑かった本日。
みなさまいかがお過ごしでしたでしょうか。
ここ10日ばかりはそれこそ颱風なみのお仕事ぱつぱつタームでしたが、それも颱風とともに去っていってくれましたのでやっとこの記事が書けます嬉しいな。


表題の冊子については、『藍宇』に心身ともに持ってかれた向きはよおくご存じとか思います。2001年11月の東京フィルメックス上映で心身ともに持ってかれた向きの多くは、疾うに所有されてもいることでしょう。
2009年に『藍宇』を知ってから、DVDや雑誌、書籍など、日本国内で手に入れられる限りの『藍宇』関連アイテムをこつこつ集めてきました。しかしどうしたって手に入れられなかったのがこの冊子──『藍色宇宙 LAN YU FANBOOK』でした。
2001年11月の東京フィルメックス上映で心身ともに持ってかれた、いわば偉大なる先達のみなさまが、あふれる『藍宇』愛をこれでもかと叩きこみ全身全霊を捧げて制作なさったものです。2004年の日本公開の折には、劇場のロビーでも販売されていたとききます。

それはそれはそれはもう、手に入れたかったのです。

オークションなどには出品されていたみたいですが気づいたときにはもう落札されちゃっててがっくり肩を落としてみたりする日々でした。
今年2月に名古屋で敢行された尾張盛宴では、はじめてお逢いしたNさんに『藍宇』劇場公開時のうらやましすぎるお話を伺うついでに、「ファンブックがほしいんですけどもう手に入りそうもないんですうえーん(号泣)」というお話も、していたようです。
でも、そんなお話をしたことは、雑事にとりまぎれてすっかり忘れていたのでした。

7月3日にusakoさん経由でNさんよりご連絡をいただきまして。

「『藍宇』のファンブックですが、余分に持っているお友達から1冊いただいたので、差し上げます」

との文面一読し白目になってきぜつ。
慌てて我に返り、随喜の涙滂沱として禁ぜず状態でプルプルふるえながらキーを打ち、「くくくく下さぁぁぁい!!!」とお返事をしました。
そしてお送りいただいたのがこちらでございます。





プルプルふるえながら封を切り取り出すいなや鼻から血を噴いてきぜつ。

上が表1画像。下が表4画像です。
ああなんてほれぼれするほど美しいカヴァーか……。
あまりの美しさにこのクソ穢れつちまつた自分如きの手で直接触れたら罰が当たりゃすまいか、としばし逡巡。
でもお送りいただいてこのかたすっかり図に乗って毎日触れまくっているどころか毎夜同衾しておる始末!!

2004年の日本公開のとき、『藍宇』のパンフレットは制作されなかったといいいます。この冊子がある意味パンフレットの代わりでもあったのでしょう。1300円という価格ですが、一読すればむしろ「なんてお安いのだ!」と目頭が熱くなります。やたらスチルばっか載せたぺらっぺらのパンフで700円とかふんだくりやがるいまの映画業界のお商売にくらべれば、どれほど誠実で良心的な価格設定でしょうか。
内容は転載禁止なので載せませんが、『藍宇』と胡軍・劉を尋常ならざるほどおすきな向きにはこれさえ持ってりゃ百人力というか十万馬力というかもうとにかくどこ切ったって『藍宇』と胡軍・劉のことしか載っていない全112ページというゆめのような仕様。とはいえこの冊子そのものをご存じない方のほうがたぶん圧倒的に多いと思いますので、目次と奥付のデータだけ、謹んで抜き書きさせていただきます。
( )内は筆者名。



LEVEL 1 邂逅
 それはFILMeXから始まった(阿美)

LEVEL 2 前進
 香港で『藍宇』の日々(阿美)
 『藍宇』答問大会(阿美)
 パーティー@プロパガンダ(PS)

LEVEL 3 喜悦
 『藍宇』旋風@台湾(阿美)
 『藍宇』三昧の金馬奨(浦川)
 追『藍宇』記(朱雀)

LEVEL 4 深究
 東宮西宮的胡軍入門(湯気)
「明星三人行」プレイバック(阿美)
 おっさん=「胡軍」について(朱雀)
 為什么我成為小迷(Cookie)
 認識藍宇的過程(中毒過程)(PS)
 一往情深的眼神(朱雀)
 Liu Ye says(阿美、浦川)
 劉マジックに惹き込まれ(taku)
 『藍宇』探検隊、香港を往く(阿美)

LEVEL 5 探訪
 難忘的北京(浦川)
 劉インタビュー(浦川)
 張永寧インタビュー(浦川)
 胡軍インタビュー(浦川)
 魏紹恩インタビュー(浦川)
 關錦鵬インタビュー(浦川)

LEVEL 6 団結
 香港金紫荊奨
 胡軍318誕生会レポート(naomi)
 劉に会えた日のこと(Cookie)
 香港金像奨(浦川、naomi)
 広州胡軍遭遇記(らいち)
 留下来的記憶還没完

LEVEL 7 永遠的藍色宇宙
 『藍宇』座談会



藍色宇宙 LAN YU FANBOOK
製作/どんぶり友の会
総括/阿美
執行編集/浦川
装丁・目次デザイン/田中義和
印刷/太陽印刷株式会社
第1刷発行/2002年7月20日
定価/1300円(90港元・350台元)


「藍宇的北歐」「藍宇 LAN YU Always On My Mind」に掲載されているテキストも一部含まれています)


12年前の7月に刊行された愛すべきこの本が、12年後の同じ7月に私のところにおよめにきてくれたことを、とても嬉しく思います。
Nさん。
Nさんのお友達。
Nさんと引き合わせてくれたusakoさん。
どうもありがとうございました。

言うても詮無いことだけど言わないのも腹膨るるのでいいますが、12年前に私が『藍宇』に出逢っていたら、いまと同じぐらい『藍宇』に病んでいたら、なんらかのかたちでこの本の編集に参加させていただきたかった。
不遜は承知で、そうあれなかったことをちょっぴり残念に思います。
そして巻末の「『藍宇』および胡軍、劉について、さらにきわめ、楽しむためのサイト」に掲載されているサイトの殆どが12年後のいまでは更新を停止し、あるいはサイトそのものが消えてしまっていることを、ひじょうに残念に思います。
人でもモノでも、あるいは映画でも書籍でも。
なんであれ「めぐりあう」こと、「離れてゆく」こと、それに纏わる既視感めいた不思議さを、この冊子を座右に置いていま、あらためて噛みしめています。
| 18:09 | 藍迷。 | comments(8) | - |
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