ブイエイチエス。──『藍宇』其の燦拾屍
2013.09.27 Friday
日本国内で販売されている『藍宇』DVDっていまいったいどういう状況になっておるのか。
ということを思い出したようにチェックしていますが、某オークションの商品説明で「入手困難品」と書かれていたのを見たらなんだかおセンチになってしまいました。もう秋ね。秋でなくても密林さんで新品が(マーケットプレイスじゃ無く)販売されているのを絶えて久しく見かけません。もう在庫が底を尽きて、そして版元さんも再版するつもりは無いのだろうなあ。膨大な映画が生み出され消費されていくなかで、一篇の映画ソフトの市場的な寿命の儚さを思うとますますおセンチになってしまいます。
でも、記憶に残るあいだはおしまいじゃない。
留下来的记忆还没完呢。
入手困難でございますといわれてしまうとおセンチにはなるものの、即ちそれだけアツく支持され求められたから、なんでしょう。いっとき話題になってすぐに忘れられ、在庫だけは膨大にあるけれどだれにも顧みられない。映画に限らずそういうものは山のようにある。なんだかんだ言っても『藍宇』は、そうした残酷な消費をかいくぐってサヴァイヴしていくしぶとさを持った作品だと思います。私が死んでしまっても、監督も役者も、映画に関わったひとすべてが死んでしまっても、『藍宇』という一篇の宇宙だけは青青と残っていく。ちょっと痛快です。
そんなことをおもいつつ密林さんをチェックしていたら、『藍宇』の中古VHS版が「8800円」という価格で出されていたので魂消ました。
2011年2月、東日本大震災が起きるひと月前に私がこれを買ったときは667円だったのです。そのころはもうビデオという形式で映像鑑賞はしなくなっていたのですが、VHSという体裁の『藍宇』を見たことが無かったので珍しかったし、しかしそれ以上に食いついてしまったのがこれだ。ちっちゃくてすみませんが。
DVDのジャケではかつて見たことが無い、美しい絵です。これ1枚に金払ってもいい、とか思い詰めちゃって。でも実際に届いたものは日本版DVDと同じジャケでした。いまでは出品しているショップさんも「カスタムイメージとパッケージに違いがあります」という断り書きをなさっていますが、そのときはそんなこと書いてなかったと思うよ。そのあと震災があったから細かいことは忘れちゃったけど。ですからまんまと釣られたということかもしれません。でも『藍宇』に罪はありません。現物はこれです。
一度だけ、そっと再生をしてみました。
そのときの感慨はここに書いています。投稿した日付を見れば東日本大震災が起きる二十日ばかり前です。これまた記憶が定かじゃありませんが、震災前、最後に『藍宇』を鑑賞したのはこのときだったかもしれません。何処かのレンタル店の店頭でお客を取らされていた(笑)このVHS本体に貼られたバーコードシールには、「04/09/24」という日付が。いまから9年と3日前の夜、はじめてこの仔を買ったのは、何処のどなたさまだったのでしょう。なんだかおセンチになってしまいます。もう秋ね。秋はともかくこの『藍宇』VHSのためだけに、ブルーレイプレイヤーを導入したいまもビデオデッキを処分せずに持っております。この先も思い出したようにそっと再生して、おセンチなきもちになるんでしょう。あと、たとえばなにかエマージェンシーな事態が起きて、
「お客様のなかに、『藍宇』VHS版をお持ちの方はいらっしゃいませんかッ!?」
などという緊迫の展開になったとき、お役に立てることだってあるかもしれないじゃないですか。万が一にもねえよという気もしますが。いやいや人生なにが起きるかわかりません。『藍宇』が世界を、世界の何処かのだれかを救うことを、私はかなりおおまじめに信じています。
ということを思い出したようにチェックしていますが、某オークションの商品説明で「入手困難品」と書かれていたのを見たらなんだかおセンチになってしまいました。もう秋ね。秋でなくても密林さんで新品が(マーケットプレイスじゃ無く)販売されているのを絶えて久しく見かけません。もう在庫が底を尽きて、そして版元さんも再版するつもりは無いのだろうなあ。膨大な映画が生み出され消費されていくなかで、一篇の映画ソフトの市場的な寿命の儚さを思うとますますおセンチになってしまいます。
でも、記憶に残るあいだはおしまいじゃない。
留下来的记忆还没完呢。
入手困難でございますといわれてしまうとおセンチにはなるものの、即ちそれだけアツく支持され求められたから、なんでしょう。いっとき話題になってすぐに忘れられ、在庫だけは膨大にあるけれどだれにも顧みられない。映画に限らずそういうものは山のようにある。なんだかんだ言っても『藍宇』は、そうした残酷な消費をかいくぐってサヴァイヴしていくしぶとさを持った作品だと思います。私が死んでしまっても、監督も役者も、映画に関わったひとすべてが死んでしまっても、『藍宇』という一篇の宇宙だけは青青と残っていく。ちょっと痛快です。
そんなことをおもいつつ密林さんをチェックしていたら、『藍宇』の中古VHS版が「8800円」という価格で出されていたので魂消ました。
2011年2月、東日本大震災が起きるひと月前に私がこれを買ったときは667円だったのです。そのころはもうビデオという形式で映像鑑賞はしなくなっていたのですが、VHSという体裁の『藍宇』を見たことが無かったので珍しかったし、しかしそれ以上に食いついてしまったのがこれだ。ちっちゃくてすみませんが。
DVDのジャケではかつて見たことが無い、美しい絵です。これ1枚に金払ってもいい、とか思い詰めちゃって。でも実際に届いたものは日本版DVDと同じジャケでした。いまでは出品しているショップさんも「カスタムイメージとパッケージに違いがあります」という断り書きをなさっていますが、そのときはそんなこと書いてなかったと思うよ。そのあと震災があったから細かいことは忘れちゃったけど。ですからまんまと釣られたということかもしれません。でも『藍宇』に罪はありません。現物はこれです。
一度だけ、そっと再生をしてみました。
そのときの感慨はここに書いています。投稿した日付を見れば東日本大震災が起きる二十日ばかり前です。これまた記憶が定かじゃありませんが、震災前、最後に『藍宇』を鑑賞したのはこのときだったかもしれません。何処かのレンタル店の店頭でお客を取らされていた(笑)このVHS本体に貼られたバーコードシールには、「04/09/24」という日付が。いまから9年と3日前の夜、はじめてこの仔を買ったのは、何処のどなたさまだったのでしょう。なんだかおセンチになってしまいます。もう秋ね。秋はともかくこの『藍宇』VHSのためだけに、ブルーレイプレイヤーを導入したいまもビデオデッキを処分せずに持っております。この先も思い出したようにそっと再生して、おセンチなきもちになるんでしょう。あと、たとえばなにかエマージェンシーな事態が起きて、
「お客様のなかに、『藍宇』VHS版をお持ちの方はいらっしゃいませんかッ!?」
などという緊迫の展開になったとき、お役に立てることだってあるかもしれないじゃないですか。万が一にもねえよという気もしますが。いやいや人生なにが起きるかわかりません。『藍宇』が世界を、世界の何処かのだれかを救うことを、私はかなりおおまじめに信じています。