蛇果─hebiichigo─

是我有病。

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憂囚。
ニューな海報出ました。






木の格子。
幾重にも垂れ下がる鎖。
牢獄をおもわせる。というか牢獄以外のなにものでも無い。
天窓から落ちる一条の光と、それが照らしだす人物。
搦め捕るように、彼のまわりを這う鎖。


“THE LAST SUPPER”というどうとでも深読みできる英題。これは単に「鴻門の会」だけを指すのか。磔刑のキリストにも似た長い髪の人物はだれなのか。西楚の覇王・項羽なのか、それとも漢王・劉邦なのか。

なんにもわかりません。



製作がストップしているという噂もちらほらきいていましたが、象山から北京に場所を移して撮影は進められているようです。10月撮了→ポスプロに入るんだとか。こちらの記事に拠る。→



某所で、この作品の劉邦の造型といわれる、じじいメイクの劉燁さん画像を見ました。ほんとにそれが年老いた漢王そのひとの姿なのか、ソースがはっきりしないのですが、長い白髪を垂らした姿はこの囚われの人物に似ていたような気もします。
映画は劉邦が漢の高祖になってのちの、呂后との冷えきった、恰も牢獄のような夫婦生活までも描いていくそうだから。


先日、新宿武蔵野館で『レジェンド・オブ・フィスト─怒りの鉄拳─』を観まして。
曾将軍(余文樂)の愛人役の女優さんどっかで見たことあるけど思い出せないえーとだれだっけ、と思って家に帰って調べたら、『王的盛宴』で劉邦に寵愛される戚夫人を演っている霍思燕(フオ・スーイェン)さんでした。
やっぱり薄倖フラグ立ちまくりでした(笑)。
戚夫人、末路が怖すぎる。小学生のときに彼女の顛末を知って、しばらくのあいだ、お便所に行くのがひどく怖かったものでした。
| 18:55 | 王的盛宴。/項羽と劉邦 鴻門の会。 | comments(2) | - |
雪藍。
漢字を読んで、ぼへーっといろんなことを考えるのがすきです。
読むというか、「見る」だな。
単体でも良いが漢字と漢字が組み合わさったときにおもわぬ化学反応が生まれて、そこからおそろしい勢いで目の前に、見たことの無い景色がひらけて、さまざまな物語が煉瓦みたいに積みあがっていくことがある。
漢字って宇宙との交信機械かもしれない、と思ったり。
中国の花の名や鳥の名、虫の名なんかとくに麻薬的。その名の本来の持ち主からとんでも無い飛距離を描いて、あさっての方角に妄想が着地する。
和名には無い趣です。


中国の伝統色の色名など、「色」という具体的な刺激を伴うから、なおさらたまらないことになります。
きのう図書館で借りた中国語の本の表紙の色がきれいだったので、この色は中国ではなんていうんだべかと思って調べてみた。

「雪藍」
というのがちかかった。

「シュエラン(xuelan)」
と読む。
音も美しけりゃ字面もきれいだ。なんか藍宇と鬼狼を足したみたいな名じゃありませんか。こういう色です。




「相思鳥(そうしちょう)」の羽の色だという。

相思鳥ってなんだべかとさらに調べてみた。こういう鳥でした。
ウィキペディアによれば
つがいのオスとメスを分けてしまうとお互いに鳴き交わしをするため、相思鳥の名がついたと言われる。

なにそれロマンチックー。
名前もきれいなら見た目もかわいらしいしー。
でもそんなにかわいらしいくせに、日本の侵略的外来種ワースト100選定種にもなっている害鳥でした。
そしてロマンチックな名前とかわいらしいビジュアルを裏切ってすげえ大メシ食らいで、大メシ食らった挙げ句、当然の如くすげえ大量のうんこをするんだそうです。

まあねえ、うんこはねえ、しょうがないねえ。
うんこしないの天使ぐらいだからねえ。


ともあれ「雪藍」であった。
誕生石に「藍」という字がつくこともあって高校生ぐらいのころから「青狂い」とでもいうべき嗜好がはじまり、『藍宇』にはまるずっとまえから藍は自分にとってちょっと特別な色だった。
ということを2年前のいまごろ書きましたが
「雪藍」て人名にしてもきれいだよなあ武侠小説の登場人物(男女問わず)のようだよ、とか思ってたら、実際にそれをハンドルにしてるかたがいらした。
サイトに伺ってみたら、中国趣味の、繊細な、美しい絵をお描きになるかたでした。
名詮自性(=名は体を表す)ってほんとね、と思いました。


漢字妄想がこうじてまいりまして昨今は篆字というものにはまりかけ、
「はんこ彫りてえ…」
になってたりします。
ためしにこんなのとか。




「篆刻のお道具って、いくらぐらいで買えるんだべ?」
とかいそいそ値段調べちゃったり。ああそうさ俺はばかさおおばかものさ。
| 12:39 | 藍迷。 | comments(8) | - |
あらしのよる、2011。
2009年10月8日。


吉井和哉さん43回目のお誕生日でした。
知多半島に上陸して本州を舐めるように蹂躙し、金木犀の花を散らせて過ぎていった台風18号。
そんな夜にも私は『藍宇』を観ていました


生まれてはじめて「海外からのお取り寄せ」なんてことをやらかしたんだっけ。
胸ときめかせて到着を待っていた、それは台湾版の『藍宇』でした。


2年が過ぎて、お取り寄せ方面についてはすっかりすれっからしになってしまった私が久々に胸ときめかせて待っていたアイテムが、台風15号が日本列島を指呼の間にとらえつつあった20日、届きました。
すこしずつ高まってゆく嵐の予感にくすぐられ、どきどきしながら夜、観ました。


『PROMISE 無極』Blu-ray(Hong Kong Version)






「劉燁さんの広東語吹き替え」がひっそりマイブームで、だから
「公爵と刺客がカントニーズで会話をしている」
というステキオプションも購入のモチベーションだったわけですが、そんなこと以前に脊髄反射でジャケ買いでした、まんまと。
だって公式サイトですら公爵クリックしなきゃ登場してくれない刺客なんだもの。




Un duc et un assassinator


そんな粋な計らいを思いついてくれたにくいひとは、どこのどなたなのだろう。
すごくおともだちになりたい。
おともだちにならずとも、あなたの幸せを祈りたいです。


80パージャケ買いだった『無極』でしたが、なるほどこの映像はブルーレイで観るのが正しいんだわ、と思いました。
ブルーレイってこういうふうに力を発揮するんだな、お値段だけの視覚的快感はもたらしてくれるなあ、っていう。


ひとによっては「駄作」と斬って捨てて顧みないこの作品を私がしつこく何度も何度も観るのはだれのためかといえば、公爵と刺客、ただふたりのためなわけです。
でも、日本版DVDは画面が非常に暗くて、公爵はともかく黒衣を纏った刺客は半分闇に呑まれてしまっているような状態で。それはそれでうつくしいともいえるんですけども。
そういうストレスが、ブルーレイで観てみたらいきなり解消されてしまいまして。


いま中国の「侠者」について書かれた本を読んでいるんですが、「士為知己者死(士は己を知る者の為に死す)」という「侠」の精神が志向する死というもの、鬼狼もまた、そういう死を死んでいったのだなあと思います。
昆崙の背で、紛いものの生に訣別する刹那の鬼狼の表情がきれいでした。きれいできたなかった。怖れて、怯えて、葛藤して、逡巡して。取り繕わずに、がたがた震えて立ち向かう人間のありさまこそ、やっぱりなによりも私の血を騒がせてくれるものでした。



私も私のことをちゃんと知ってくれるひとのために生きて死ねれば良い。
あんたを生かすためなら自分なんかつるりと死んだっていい、と思い決める相手がいつかあらわれれば良い。
生死なんてものはそう都合よくもかっこよくもゆかない。それでもなかば陶然と、いつもそんなふうに死を想って暮らしていたい。



なんてなことを考えてしまうのも、きっと嵐のせい。
| 02:43 | 電影感想文。 | comments(2) | - |
姫十月東京降臨。
ただいま絶賛台風襲来中の横浜からどうもこんにちは。
各地の被害が心配されるなか、脳天気な記事を書いてすみません……。



発端はこの夏。
中野で『南京!南京!』を観たあといただいたコメントに、

「今回中野でできたんだから次は10月のTIFF2011あたりだったりすると嬉しいなー」

などとお返事して、こっそり言霊様にお願いをしてみたのが8月のことでした。
『南京!南京!』じゃ無かったものの、私の予感はちょっとナナメな方向で的中したもようです。


まさかの『建党偉業』、「2011日本・中国映画週間」で上映決定以下詳細!!!→とかとか







【上映スケジュール】
●10月22日(土)17:00〜19:05
●10月25日(火)18:30〜20:35

【上映会場】
有楽町スバル座

チケットぴあでの一般発売は2011年10月8日(土)だそうです。

『建党偉業』つうのはプログラム的にややびみょうなかんじがしないでも無いんですけど……。
いろいろな大人の事情も裏には感じるんですけど……。
『赤い星の生まれ』とかいうなんだそりゃな邦題は、もはや「びみょう」どころの話じゃ無いんですけど……。
あとやっぱり字幕関係がオネエ方面にすべる可能性つうのも否定できないスリルとサスペンスなんですけど……。


でもっ。
そんな葛藤なんかすぱーんと乗り越えて、もーこーなったらどうしたって劇場で観たいんだもの白百合の姫を。
(あとシスター蒋介石とかモテモテめがね教授とかまあいろいろみたい。いろいろ)


『狙った恋の落とし方。2』と、TIFF2011特別招待作品の『新少林寺』も、できることなら観たいものです。
勝負は時の運だけど、チケットがんばれるだけがんばってみます!

(※コンペティション、特別招待作品、アジアの風、日本映画・ある視点、WORLD CINEMA、natural TIFFのチケットについてはこちらをご覧ください。→


それにしても。
エンジェル様はほんとうにどこかで見ていて、帳尻を合わせてくださるのですね。うふふふ。
| 17:11 | 電影瑣聞。 | comments(4) | - |
ちゅうごくでいちばんかっこええ男性スターさん2011。
的な企画もんが実施されているそうです。こちら→

いるそうですが、しかしさすがは人口13億のお国、スターさんの数も半端無いです。ていうか自分が中国芸能界事情をまったくわかっていないからなんですが、知ったお顔のひとが1ページにひとりかふたりっきゃいません。

その知ったお顔のひとのうち、ちょっと好いたらしい殿方だわとおもってるひとの順位ですが。現時点では『硬漢2』でお色気刑事さんだった焦恩俊さんが13位。何潤東さんが30位。陳思成さんが51位。孫紅雷さんが61位。黄覚さんが64位。謝霆鋒さんが117位。陳坤さんが143位。周潤發さんが173位。呉彦祖さんが178位。胡軍さんが180位。甄子丹さんが213位。劉燁さんが233位。樊少皇さんが274位。黄秋生さんが326位。

というようなことになっております。

全部で10人まで投票できます。
でも同じひとに何度も何度も投票しても無効です。
ということです。
おひとりさま1票限り、10人まで、ってことですね。
わたくし現時点で6名様まで投票済みです。
みなさまも、どうぞふるってご投票くださいませ〜。
| 10:43 | 瑣屑。 | comments(2) | - |
我在象山的日子。
りういえおにいさんがみんなのしつもんにこたえてくれるよ!


……みたいな企画(たぶん)があるそうです。


刘烨微访谈 我在象山的日子



『王的盛宴』の撮影で象山影視城に滞在していたときのあんな出来事やこんな思い出を、話していただけるみたいですよ。
迷の皆さんから劉燁さんへのご質問も絶賛募集中です。わたくしだってききたいことはそりゃ山のようにあるのですが、おおむね不埒な内容に終始してしまう上に中文作文にモノスゴク時間かかるので、今回は自粛いたします。

日時は明日、2011年9月19日14:00スタート、15:00まで。
(※中国標準時との時差1時間なので、日本時間だと15時スタートなのかな)
御用とお急ぎで無いかたはアクセスしてみてくださいませ。


それにしても劉燁さん。
まあまあすっかり男前にご成長あそばしてこれでばあやは思い残すこと無く冥土に旅立てますですよ。と自分なんかは思ってましたが、あちらではいまだに「英俊少爷(ハンサムぼっちゃん)」なんですね。まだまだ「酷哥」とは呼ばれないのかなあ。でもまあ33歳・1児のパパつかまえて姫呼ばわりな自分もどの面下げてって話でしたごめんなさいすいません。
| 10:16 | Liu Ye(劉/リウ・イエ) | comments(5) | - |
まじめで、ゆっくり。
いまさら『藍宇』をひきあいに出す迄も無いが。
自分が考える物語のかたちの、そのもっとも根源にあるのは「ふたり」というものである。
自分が愛する「ふたりの物語」とは、自分とはちがうもうひとりと向き合い、もうひとりから目を逸らさず、なにがあってももうひとりから逃げださない、そういう、一種執着の在りようを綴るものである。


自分とはちがうもうひとりに執心すること。
真摯に誠実に精魂こめて相対すること。
恋愛という体裁を取ってもいいし取らなくてもいい、相剋であろうと殺し合いであろうとかまわない。
ただそこにきっと「まごころ」があること。


自分が溺れてしまうのはそういう物語である。
換言すれば、自分にはそういう物語しか必要無い。



『コペルニクスの呼吸』という漫画を読んだとき、ああこの作者はそういう物語を描ける(あるいは描こうと志している)ひとなんだと直感して、以後「中村明日美子」というひとの作品を座右にあつめてきた。
神経質で繊細で、ほんのりあまくて儚い、シュクル・フィレみたいな美麗な描線もそれはそれは好みで。
そんな優雅で耽美なタッチで世界を暴き、傷を白日の下に曝し、血も膿も涙も汗も精液も等しく愛おしむ。
登場するひとびとは概ね前向きである。
というか、「前向き」ということがどういうことだか知っている。
正しく前を向くためには、背中のむこうに置いてきた闇を忘れてはならない。隠蔽せず、無かったことにせず、きちんとみつめ、闇として解き放ってやらなければならない。そうしてはじめて光に向けて顔をあげて歩きだすことができる。そういうことを彼らは知っている。つらいことがたくさんあって絶望したり世を拗ねたり自暴自棄になりかけたりしても、それでもぐぐっと踏ん張って、「良くあろう」「良くなろう」と努める。
ひととしてとても熱くてとても真っ当だと思う。
それはつまり、そういう人間を描こうとする中村明日美子が、ひととして真っ当ということなんだと思う。


3年前に『同級生』という作品を読んだとき、その感を新たにした。
佐条利人と草壁光という高校2年生の男の子が出逢い、恋に落ちる。
ふたりの恋のありさまを、恋を通じてのふたりの変化と成長を、丁寧に、きめこまかく綴った物語。




(画像はコミックナタリーより)


まじめにゆっくり恋をしよう。

──これが『同級生』を描きはじめた時
私が決めたテーマでした。
初めてBL誌から頂いたお仕事だったので
ベタでも王道でもいい
いろはのい 基本のキ うぶでおぼこくてじれったい
そういう話にしたかったのでした。

(『同級生』あとがき)



同級生ふたりの恋物語は作者の志どおりにまじめにゆっくり進んでいく。
手を握り、キスをし、からだに触れ。
些細なことで誤解が生まれ、気持ちにちいさな棘が刺さって、諍いを経て仲直りして、ふたりの距離は一歩ずつ近くなる。
季節を重ねて、『同級生』から続編『卒業生─冬─』『卒業生─春─』へと、ほんとうにじれったい歩みで。
読み手である私自身も2年にわたって「まじめにゆっくり」読みすすんできた物語は、卒業式の日、「仰げば尊し」が遠くからきこえる教室で、ふたりが結ばれて終わる。


「ふたり」はいつか「ひとり」になる。
「ひとり」は望めば「ふたり」になれる。

絆は脆く儚いが、結ぼうと思う気持ちの強さがいろんなことを変えていく。
佐条と草壁の「ふたりの物語」も、彼らが卒業してそれで終わりということではなくて、このさきもどこまでも、「まじめにゆっくり」進んでいくのだろう。


ということを裏書きしてくれる掌編『COFFEE TIME その後のふたり』が、『「同級生」「卒業生」公式ファンブック 卒業アルバム』の終尾を飾っていた。
「こーやってここでコーヒー飲むのも最後か」とおセンチな台詞を吐く草壁に佐条がいう。

「一緒にコーヒー飲む時間なんて この先いくらでもあるよ」

と。

いい言葉だと思う。
それをいえる佐条がいい。
いかにも線の細い優等生だった佐条が、それをいえるようになるところまでを、見届けられたことが嬉しい。
『卒業アルバム』は「まじめにゆっくり」な物語にまじめにゆっくり相対してきた私たちへのごほうびのような、それはもう素晴らしくて素敵な本だけれど(いかにどう素晴らしく素敵かということについてはもう言葉を尽くされている感があるので書きませんが)、そういう本が佐条のこの言葉で終わるということこそが真のごほうび、という感じがした。


ありがとうでした。
佐条と草壁が、
そして世界のどこかに数多いるだろう「ふたり」が、


遍く幸せになりますよう。




| 18:25 | 瑣屑。 | comments(0) | - |
blanc et noir・douzième──par hasard
イッツビーンアハーズデイズナイト。
アンドアイヴビーンワーキンライカドッグ。


いつものことなんです。


まる一日びっちり労働してました。
食事と睡眠とシャワーの時間を除いた自分の自由になる時間が30分ぐらいしか無い。
なんでこんなにスレイヴなんだろうかとおもいますが、好きでやっているんだし、ていうかもう業だし、だからだれにも文句言えないし言わない。
さてこの30分をなににつかおうかと思案しても、深夜なのでお散歩には行けないし、お酒をのんでただぼんやりするくらい。


ぼんやりしながらふと見れば、ミクシのあたしのホームでコミュ部分が滅多に無いまつりだった。






きゃーきゃー。
アイファインドザシングスザットユードゥー
ウィルメイクミーフィールオーライ。


しあわせになるもんね。つまんないことでもさ。
明日も(ていうかもう今日だ)びっちり労働で自由時間は25分ぐらいかとおもわれますが。
まあちょっとがんばってみるわね。

| 02:10 | blanc et noir | comments(6) | - |
お悔やみ申し上げます。
中秋で満月だった昨日、戚健(チー・ジェン)監督が亡くなったそうです。享年53。



「戚健監督」と聞いてすぐにどなたかおわかりになるのは、中華電影にお詳しいかたか、かなりコアな劉燁ヲタのかたではないでしょうか。
自分たかだかヲタ歴2年の駆け出しだもんですから、戚健監督のフィルモグラフィーでとある作品のタイトルをみて、はじめて「あ。」ってかんじでした。
『女師男兵(Female Coach & Male Player)』というのがそれ。
1999年製作。第3回彩の国さいたま中国映画祭で上映されたときのタイトルは『女コーチ』。

男子実業団バスケットボールAリーグのチーム北斗はスター選手を揃えているわりには成績が芳しくなく、ベテランコーチはシーズン途中でライバルの海王星に引き抜かれる。オーナーの章は苦肉の策で女子バスケのナショナルチームの選手だった聞婕をコーチにスカウトする。だがエースの姚らは女のコーチに反発、聞婕の恋人である海王星のエースも理解を示さず、前途は多難……

(キネマ旬報社刊『中華電影データブック』より)


というようなお話です。
『藍宇』に出るまえの劉燁さんが、北斗の選手役で出演しています。
(すみません画像いろいろお借りしました。)









バスケットボール映画だけあって、選手役のキャストさんほぼもれなく劉燁さんより10〜30センチメートルはでかいため、

「わあ、劉燁って、華奢で小柄なんだあ。」

と、おもいっきり錯覚させてもらえます。(でもすぐに目が覚める)
『中華電影データブック』では、「ブレイク前の劉燁の気の弱い情けない選手役が楽しめる」と書かれてしまいましたが、とほほとおもいつつもほんとにおっしゃるとおりでとても愉しいですはい。
ここ一番という場面でシュート失敗して負けちゃって、試合後にタオルかぶってしくしく泣いてたり。
そのあとひとりでいっしょうけんめい陰練とかしちゃったり。
あらすじに出てくるエースの姚くんてのは髪の毛にメッシュを入れたりなどしているツッパリ(死語?)なのですが、劉燁さんは姚くんの弟分つうかパシリつうか、無歓に対する鬼狼みたいな立ち位置でしょうか。(ちょっとまつがっているかも…)






聞婕のことが気にくわない姚くんに命令されて、練習中にわざとぶつかって転ばせて、聞婕に怪我をさせてしまいます。でも気が弱いもんだから、姚くんにないしょで、こっそり薔薇持ってお見舞いに行ったりします。






野郎ばっかの(この際コーチは無かったことに)汗くっさい寮生活(うふふ)に咲いた一輪のお花ちゃん。
そういうところを狙って劉燁さんがキャスティングされたのかどうかは存じませんが、どうせそんなような事情にきまっています。ほんとにかわいい。かわいいですがオープニングクレジットにも名前出してもらえてない。そんな程度の扱いだったんですね、この頃はまだ。
そして劉燁さんがそんなにもかわいいのに、無情にも日本版DVDは出ておりません。中国版DVDもすでに入手が難しいかも知れません。ネットで視聴はできるようです。PC環境的にだいじょうぶそうなかたはお試しください。→


●彩の国さいたま中国映画祭で来日されたときの戚健監督インタヴューはこちら。→
| 22:04 | 電影瑣聞。 | comments(5) | - |
耐寒唯有東籬菊。
蜜連環。
銀紅針。
白鶴臥雪。
青河蓮。
映日荷花。
星光在水。
鳳管鶯笙。
墨麒麟。


すべて菊の名。
漢字って素敵ね。



いろいろありすぎた今年も人日、上巳、端午、七夕がするすると過ぎた。本日九月九日重陽を以て五節供も最後となる。
陽数五が重なる端午がまたの名を「重五」というように、九が重なる重陽は「重九」。


「九」は屈曲して尽きる象形に由来する。「龍(竜)」の象形に似て、縁起がいいとされる。



最大陽数の「九」は吉祥数だが、いっぽうで死にまつわる言葉も多い。「九泉(jiuquan)」は幾重にも重なりあった地の底にある国、すなわち黄泉、冥府をさす。中国のある地方には、死者が寒くないようにと紙で作った冬着を贈るならわしがあるそうだが、それがおこなわれるのが冬至。冬至の翌日からの九日間もまた「九」というのだそう。


と、いうわけで。
絢爛たる吉祥と死のイメージに彩られた非常に正しい重陽映画ともいえる『王妃の紋章』ですが。
昨年の今日はパパンと姫のツーショでしたので、今年はママンとね。





めんどくせえ長期出張やっと終わって、くったくたでおうちに帰ってきたんだから、
乳と頭盛りすぎでネイルが魔女みたいな厚化粧の奥さんよりは、
清楚で可憐な(でもベッドではえろい)息子にしとやかにお迎えしてもらったほうが、父さんだんぜんうれしいなあ。


不肖わたくしが謹んで、パパン心の声を代弁させていただきました。
毎年ほんまにすみません。



可哀相な王子様。──『王妃の紋章/Curse of the Golden Flower』
美麗的尸体──元祥。
| 17:07 | Liu Ye(劉/リウ・イエ) | comments(4) | - |
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