美麗的尸体・番外──陸剣雄。
2011.04.28 Thursday
四十九日が経った。
震災で元気になってる奴って、じつはいっぱいいるんだよな。
と、仕事先の社長さんが忌憚の無いことをいっていた。
自分はどうなのか。
元気でいようと思うってことはつまりあんまり元気じゃないってことなのか。
愉しいことはそこそこあっても、ああ愉しいと思うそばからだいなしになる。そういうことが決まって起きる。見渡せば世界はもっと地獄だからのほほんと萎えてもいられない。いまでも一日最低五回は泣く。身元不明の遺体を仮土葬するとき棺には釘を打たないのだと聞いて泣き、遺棄された挙げ句に薬殺される動物たちの末期を思って泣き、いまや世界中のきらわれものになりはてた原発のことを考えて泣き、時々刻々身の置き所が無いほど恥じいっている。一年前のいまごろがもう百年昔のようだ。一年前のいまごろってなにやってたんだっけ。とおもって遡行してみたら、劉燁の死に顔についてガチで書くという遊びをやっていたのだった。
ああそうか。
そうだったわ。
司徒からはじまって藍宇を以てめでたく終わったはずだったのに、終わったあとで『南京!南京!』なんて観る羽目になってしまったんだわ。
そのころ、やっぱりいまと同じように、身も心も萎えていた。
身も心も萎えているときに観るべき映画では無かったが、萎えに拍車かけて自浄するタイプなのでそれなりの効能はあった。
2011年3月11日後にはじめて再生した映像作品がこれというのも、だからたぶん、正しかったんだろうな。
(日本未公開かつ日本版ソフト未発売の作品につき、以下は自己責任でお入りください。)
震災で元気になってる奴って、じつはいっぱいいるんだよな。
と、仕事先の社長さんが忌憚の無いことをいっていた。
自分はどうなのか。
元気でいようと思うってことはつまりあんまり元気じゃないってことなのか。
愉しいことはそこそこあっても、ああ愉しいと思うそばからだいなしになる。そういうことが決まって起きる。見渡せば世界はもっと地獄だからのほほんと萎えてもいられない。いまでも一日最低五回は泣く。身元不明の遺体を仮土葬するとき棺には釘を打たないのだと聞いて泣き、遺棄された挙げ句に薬殺される動物たちの末期を思って泣き、いまや世界中のきらわれものになりはてた原発のことを考えて泣き、時々刻々身の置き所が無いほど恥じいっている。一年前のいまごろがもう百年昔のようだ。一年前のいまごろってなにやってたんだっけ。とおもって遡行してみたら、劉燁の死に顔についてガチで書くという遊びをやっていたのだった。
ああそうか。
そうだったわ。
司徒からはじまって藍宇を以てめでたく終わったはずだったのに、終わったあとで『南京!南京!』なんて観る羽目になってしまったんだわ。
そのころ、やっぱりいまと同じように、身も心も萎えていた。
身も心も萎えているときに観るべき映画では無かったが、萎えに拍車かけて自浄するタイプなのでそれなりの効能はあった。
2011年3月11日後にはじめて再生した映像作品がこれというのも、だからたぶん、正しかったんだろうな。
(日本未公開かつ日本版ソフト未発売の作品につき、以下は自己責任でお入りください。)