ここ1週間ばかりは、毎日14時間くらい仕事という日々でした。半死人でした。ふと生き返ってみればいろいろと煮詰まってました『カンフーサイボーグ』方面が。昨日、お仕事でシアターNの近くまで行ったのでチラシもらってきました。おお、いつの間にやら日本版公式サイトまで出来ちゃってー。
●公式HP→
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シアターN渋谷での本作公開は、2011年1月22日土曜日からだそうです。
でもレイトショーだそうです。くすん。一日一回よる9時ぐらいからの上映だと、お住まいの地域によってはお泊まりじゃないと鑑賞も出来ないシステム。それでもまさかの(笑)本作がまさかの劇場公開ってだけで良しとすべきなんでしょうね竹書房さんありがとうありがとう。
さて。
お仕事をいただいてる某媒体編集部のデスクのかたにお会いするたびに、
「胡軍さんがすきですきで、だいすきなんですううう!!!」
と、先方がうんざりするほど吹かしてきましたところ、哀れに思ってくだすったのか試写会のインビをくださいまして。
抽籤に当たったりなどして一般のお客さんとして観に行く試写会なら経験はあるが、業界向けのやつに参加するのは生まれてはじめてです。ふてぶてしい私もさすがにじゃっかん腰がひけつつ都内某所の某試写室に伺いました。やはり、どっからみてもザッツ業界な客層でした。ていうか自分もその業界の隅っこで映画とか音楽とか出版とかに絡んだお仕事でごはんたべてるわけですが、所謂ナマな業界人とのコミュニケーションなんて絶無ですもん密室作業だから。いやー疲弊したわーいろんな意味で。でも二度目の鑑賞になる『カンフーサイボーグ』はやっぱりおもしろかったっす。それではおとぼけ予告編。
この予告編は一種フェイクの体をとっていて、「このまんままじに鵜呑みにしないでちょうだいね」という製作側の意図が含まれています。
しかし、
「これコメディですから笑いとばすのが絶対的に正しいんですからねげはははは」
と、単純に斬って捨てられるような内容では、じつは断じてございません。
TIFF2009で本作を鑑賞したときの
感想文にも書いたことですが、芭蕉的にいえば
「おもしろうてやがてかなしき」
なあれやこれやの仕掛けが、「コメディ」という体裁の裏にちくちくちくちく忍ばせてあって、ラストでそれらが束になってどかんと揺さぶりをかけてきます。
どれほど精巧に美しくかわゆくあったところで、所詮人間の被造物にすぎぬ機械。
人間によって仕込まれた言葉を、お行儀良く、つつましく、かわいらしく、ひとかけらの感情もこめずオートマティックに繰り返すことが使命の機械。
そして、オートマティックに人間に従順であることによってのみ人間に愛玩され、愛玩されることで延命している機械。
「愛」というものを学んでしまったがゆえに、真に愛するただひとりのためにただ一言を発した、その「罪」によって破滅を余儀なくされる機械。
私はそういうものに「せつない」という感情を掻き立てられてしまいます。
そしてそういうせつなさが、この映画には確かに感じられるのです。
そのせつなさをどう受けとめるのか。
あるいは、受けとめないのか。
「なんだかんだゆったってやっぱコメディじゃんげははははー」で終わるのか。
ご覧になるかたそれぞれで異なりましょう。個人的には揺さぶられてほしいと思います。ぜひぜひ来年は劇場へ足をお運びになって、ご自身のその目でお確かめになってプリーズ。