蛇果─hebiichigo─

是我有病。

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好像白雾。──『藍宇』其の吾拾
昨年のきょう、『藍宇』殺青から16年が経ちましたという記事に、

「どうもこの2月10日あたりというものは、自分にとってドメスティックな方面でいろいろ変化のあるシーズンみたい」

なんて書きました。一年が経ち『藍宇』殺青17年を迎えたきょうあたりも、やはりドメスティックな方面での変化をシンミリ感じながら過ごしています。

3週間ばかり前に体調を崩してそのままB型インフルエンザに罹患、禁足期間も終わってすっかり復調してみたら、これまで常飲しすぎなくらい常飲していたお酒をあんまり飲まなくなっていました。飲めなくなっちゃったんでは無く毎日飲んではいる。ですが350ml缶のビール、グラス1杯のワインを1時間かけてちびちび、みたいな事態です。1週間かけてワイン1本飲みきらないんですよ昨年夏に酔っぱらってすっころんで右の頬骨を骨折してそんな痛い目に遭ってもなお「金輪際酒はやめよう」とは微塵も思わなかったこの私がですよ信じられないですよ。お酒飲まないから食事の全体量も減ったし。B型インフルエンザは胃腸にくるのでその影響も残っているのかも知れません。でも、もうちょっと経てばもとにもどるのかな。そろそろやばいなんとかせねばと思ってたおなかまわりが3週間ですっかりぺったんこになってくれたのは嬉しいのでそれはもとにもどんなくていいです。

これはしかし、
「ルーティーンを手放せ」
というのがいまのシーズンの乙女座の命題だからじゃあ無いか、という気もします。

石井ゆかりちゃん曰く「アタマがカラダ」、逆流すると「気持ちの問題がすぐカラダの異常になる」乙女座だから、私が寝ているあいだにアタマとカラダが勝手に話し合ってそういうことにしましょうと結論したのじゃあ無いか、という気がします。

1月22日、関東地方ではけっこうな雪が降り、その二日後、寒い部屋でお熱をだしてうんうんいいながら、自分の吐きだす息の白さに『藍宇』を思いました。是我有病。
ふたりの出逢い、そして再会も酷暑の時季でありましたのに、映画を観終わってみればかれらの吐息の白さばかりが目交にちらつく。

抱きしめる。くちづけする。互いの熱に分け入っていく。
吸って吐いて。
吸って吐いて。
吸って吐いて。
くちびるからこぼれおちる「生きている」のくりかえし。
その証。

2001年2月10日午後3時半、すべての撮影が終わって、おめでとうと言ったのかおつかれさまと言ったのか。上気したひとびとの吐く息も、真白くはずんでいたことでしょう。


冬ながらそらより花のちりくるは
雲のあなたは春にやあるらむ。


まだ冬なのに空からお花が降ってくる。
雲のむこうはもう春なのかしら。




降る雪をはなびらに類えて未だ来たらぬ春を想う。
平安時代の歌だけど、虹をつかまえようとカメラ持って走りだす藍宇がいかにも言いそうなことよなあ、と思います。古今和歌集所収のこの歌の詠み手は清原深養父(きよはらのふかやぶ)。「深養父」て名前からはじいさんしか想像できませんが(実際清少納言のひいじいさんですが)、みっしり雲の垂れ込めた真冬の空をみあげて「春にやあるらむ。」と呟く歌人のその息の白さも思い合わせてみたり。


夜になって、さきほどから、雨が降り始めました。
きょうはあたたかいので雪にはならないでしょう。
吐息も白くみえない部屋で、『藍宇』に逢いにゆきます。









●2011年2月10日 地久天長。──『藍色宇宙/MAKING BLUE』
●2012年2月10日 後朝。──『藍宇』其の弐拾弐
●2013年2月10日 人人平安。──『藍宇』其の燦拾貳
●2014年2月10日 搬家。──『藍宇』其の燦拾勒
●2015年2月10日 切切偲偲。──『藍宇』其の是拾
●2016年2月10日 降冬的故事。──『藍宇』其の是拾翅
●2017年2月10日 化不可極。深不可測也。──『藍宇』其の是拾悉



| 22:55 | 藍迷。 | comments(6) | - |
Comment








北京の冬は東京や横浜よりもグッと寒いのに、マフラーもせずに一人北京をさまよっていた藍宇。そしてその姿にキュンとして連れて帰った捍東。二人が過ごした部屋は裸でも平気なくらい暖かそうでした。
いや、多少寒かったのかもしれないけど、二人はやっぱり若く、逞しくてしなやかで、寒さを跳ね返す体力もあるけど・・・
レッドさん、お体大変だったんですね。インフルで弱って、また発熱して・・。そりゃ内臓も一緒に発熱しますもん、しばらくお酒が飲めなくなるのもわかりますよ。おなかがぺったんこになったって、もともとかなりスレンダーじゃないですか(そこはかなり羨ましい)。少しでもよくなってきたでしょうか。請多多保重!
この記事を読んで映画を脳内再生して、藍宇のちょっと不安げな笑顔と冬の公園での幸せな笑顔を思い浮かべました。
posted by himari | 2018/02/13 12:25 AM |
>himariさん

捍東(胡軍さん)は北京生まれ、藍宇(リウイエさん)は東北部生まれなので、私なんかよりも寒さへの耐性はずっと強いのかな。
藍宇のアパートメントはセントラルヒーティングみたいでしたが、それでも明け方に藍宇が半袖Tシャツでお水飲みながら歩いてくるところは寒そうで、だから捍東の隣にもぐりこむシーンでは胡軍さん自身の体温のあったかさをきっとリアルに感じたんだろうなあ、という気がしてきゅんきゅんします(笑)。

インフルは最後にかかったのが2005年なのですごい久しぶりの罹患なのですが、そんな私が罹るくらいなので今年の猛威は凄まじいのだなと思います。お酒の量をそろそろ控えねばと思っていた矢先、そのせいもあって免疫力が落ちていたのでしょうから、ちょうどよいデトックスかというかんじです(笑)。2010年に胆嚢摘出して体重が落ちて、そこからちょっとリバウンドして、2014年にバセドウでまた体重が落ちて、またちょっとぽよんになっちゃってやべえなと思ってたところですが、考えてみたら病気で体重減るのってあんまり良くないですよね。
ああでも、捍東か藍宇のどっちかが病気になってどっちかが看病するお話(『画魂』にあったようなやつ!)とか妄想してるとますますきゅんきゅんが止まりません。これで免疫力が上がってくれるとよいのですが(笑)。

まだまだ寒いです、himariさんもどうぞご自愛くださいませ。
posted by レッド | 2018/02/13 11:26 AM |
インフルエンザだったのですか。お辛かったでしょうね。私の周りでも猛威を振るっております。

春を待つ気持ちは今年はとても強いスノウです。わが町が、驚くような大雪に見舞われたもので。
久しぶりに『白魔』という単語が頭をよぎりました。

そんな中でも、吸って吐いて雪かきして、食べて、寝てと元気に過ごせたのが幸いでした。
そして大雪の前に、『ニエズ』の小説を借りていたことも。数日、私の社会生活がストップしてしまった為、あの分厚い本を読了しました。
そして、飛ばし飛ばしではありますが、ドラマの動画も見ることができました。

藍宇に嵌る人は『ニエズ』にも嵌るというレッドさんのお言葉通り、嵌りましたね。
このドラマの感想を書けるほど、消化しきれていないのですが、阿青役の俳優さんなんか、原作の藍宇にリウイエさんより似合う場面があるなあと思いました。
また、藍宇の公開後に撮影されたか否かはわかりませんが、鏡の前のシーンなど、藍宇を彷彿とさせる場面もあり。。

また、少し落ち着いたら、(気持ちも雪も)お邪魔させていただきます。
posted by スノウ | 2018/02/20 3:31 PM |
>スノウさん

お住まいがどちらかは存じ上げませんが、ニュースなどを観るにつけ、もしかしたらあちらのほうなのかなあと気がかりです。
伊豆育ち・横浜在住の身には想像も及ばない桁違いの豪雪、正しく自然災害だと思います。ここからでは何もできませんが、ご無事を祈っております。

私のインフルはB型だったこともあり、比較的軽くて済みました。でも発症後そろそろひと月になるいまもお酒がそんなに飲めない状態は変わらず。これまで抗生物質飲むために禁酒することはあっても治ればもと通りに飲んでいたのに、今回はちょっと例の無いことになっています。そのほかにも先週、ドメスティックな方面で大きな変化がありましたので、いろいろと連動しているのかも知れません。

『ニエズ』、原作を借りてみたもののかなりの長編で、残念ながら2週間では読み切ることができず……。
ドラマDVDをお借りして観たのも6年近くも前になるのだなあ、と自分の感想文読んでしみじみしています。
その記事やコメントにも書きましたが、やはり『藍宇』に病んだ向きは『ニエズ』にも嵌まるということ、スノウさんのお言葉で納得しました。『ニエズ』の放映開始は2003年2月とのことですので、撮影はたぶん『藍宇』公開(2001年11月)のあとではないかと。台湾での『藍宇』人気は非常に高かったようなので(製作サイドに無断で、カットされた場面を勝手に入れて編集した「加長版」DVDが販売されて訴訟問題になる、など)、少なからず意識はされていたのかも知れませんね。
しかし日本版のセルDVDも結構なお値段ですし、レンタルが無いというのが痛いですね。『ニエズ』は本当に素晴らしいドラマなので、もっと多くの方に観ていただきたいものです(私もまた観たい!)。
posted by レッド | 2018/02/22 11:48 AM |
へこんで地球の裏側まで行って(気持ちが)、ようやく戻ってまいりましたぁな感じになってまいりました。やれやれ。
にしても出遅れるにもほどがありすぎなカエルでございます。ごめんなさいまし〜(涙)

1月の雪の日、朝、駅にむかってまっしろな土手道を歩きながら、脳内では雪の公園のシーン絶賛上映ちうでした(笑)
桿東より少し前を歩いては振り返り振り返りってやってる藍宇が、ほんとわんこだよな(笑)とかってしみぢみしてました。

>空からお花が降ってくる。

…やだ(笑)ほんと藍宇なら言いそうです(笑)
もっとも、なかのひとはこどもらがあかんぼのころとかに雪を見ながらそんなこと言ってそうですが(笑)
posted by カエル | 2018/02/25 3:37 AM |
>カエルさん

メンタルのほう、大丈夫でしょうか?
何があったのかは存じませんが私が原因じゃないことを祈ります(笑)。
お会いしたときにお話ししますが私もここんとこ大きな変化がありまして。この記事もその狭間にようやく上げることができた次第です(書いている内容にもそれが少なからず影響しています)。

きょうあたりは5月ぐらいのご陽気らしいですが、このあとまだ雪が降ったりもするのかな。こっち方面では冬の風物詩でも、豪雪地帯にお住まいの方からすれば、雪を見て思うこともまた違うでしょう。「お花が降ってくる」どころの騒ぎじゃないかも知れない(笑)。
私は「雪とわんこ」というとどうしてもコーギーラッセルが浮かんでしまいます。
https://youtu.be/YEIj435uwsw
これを豆助に変換するだいごみ(笑)。

胡軍さんリウイエさんのお誕生月である3月がきました。
今年は「日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約」調印40周年、そして条約調印と同年(78年)に生まれたリウイエさんがめでたく不惑となり、胡軍さんも五十路を迎えるスペシャルな年。
ドメスティック方面ではなにかとヘビーですが、ブログももうちょっと更新してゆければよいなあ、とぞ思ふ。
posted by レッド | 2018/03/01 9:36 AM |
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