蛇果─hebiichigo─

是我有病。

| CALENDAR  ENTRY  COMMENT  CATEGORY
ARCHIVE  LINK  PROFILE  OTHERS  RECOMMEND
化不可極。深不可測也。──『藍宇』其の是拾悉
『藍宇』が香港で公開されてから2016年11月22日を以てまる15年が経過したということを冬至の記事に書きましたが、その15という周年の年を経て、『藍宇』殺青(クランクアップ)から16年が経ちました本日を以て。

彌栄。


藍宇16.jpg


中国の迷様が15周年のときにお作りになったこの海報にも、2001年2月10日午後3時に終わった旨が記されています。


下のほうに過去記事をリンクしていますが、2011年このかた、どうもこの2月10日あたりというものは、自分にとってドメスティックな方面でいろいろ変化のあるシーズンみたいです。私自身は家庭を持っているわけでもなんでも無いのですが、たとえば住処を移してみたり不治の病に罹ってみたり、なにがしか自分の生活そのものをシンミリと顧みる必要に迫られる。先月末に母が転倒骨折入院手術という憂き目に逢い、独居老人となった父の世話をするべく仕事を抱えて実家と横浜を行ったり来たりしているいまも正しくそういうシーズン。

それはもしかしたら『藍宇』がとってもドメスティックな物語だからかしら──なんて思ったりします。

私自身は家庭を持っているわけでも、家庭を持つ機会に恵まれたわけでもなんでも無いのですが、たぶん、とてもドメスティックに出来てんだろうなという気がします。
それは家事全般に於いて素晴らしく有能って意味じゃあ無いの。家のなかとか部屋のなかとかふとんのなかとかに居ることに向いてるということに於いてなの。家から一歩も出ないでやれる業態に憧れて、そういう業態のひとになるべく努力したというのも畢竟、そういうことだと思うの。
そんな人間が『藍宇』という、86分に封じ込められた美しい部屋に、この際室内劇と言ってしまいますがそんなような映画にいかれてしまうのは、それはもう自然の摂理じゃ無いですか。
閉じられた部屋をひとつの宇宙として精緻に彫琢する手業に長けた關錦鵬の仕事──『ルージュ/胭脂扣』にしろ『阮玲玉』にしろ『長恨歌』にしろ『画魂』にしろ──に無闇と惹かれてしまうのは、物語そのもの以前に其処に在るのが「部屋」だから。そうして其処から出たく無いひとだから私が。
退嬰ってもんかも知れません。でもまあべつに退嬰だっても良いじゃ無いですか。


ドメスティックな物語とはいっても、陳捍東と藍宇に同性婚をしていただいてハッピーなご家庭を築いていただきたいということでは無いし、「結婚」なんて形態は永遠に取っていただかなくても良くってよと思うのあのひとたちの場合。当人たちもそんなことしたかないだろう。未来とか展望とか。長寿とか繁栄とか。血脈を繋いでいくことだとか。そんなことしたいと思ってるひとたちじゃ無かったでしょうたぶん最初から。私が勝手に思うだけだけど。


陳捍東と藍宇を演じたおふたりは、『藍宇』という美しい部屋での仕事を終えて、扉を開けて出ていって、のちにしあわせなおとうさんになりました。
16年まえのきょう、『藍宇』が殺青を迎えたときにはまだこの世に居なかったひとたちも、いまじゃこんなになってます。


7012497bjw1f9p5pm66bqj20mg0zk77d.jpg7012497bjw1f9p5pmrzsnj20no0zkgoc.jpg

ba446b47gy1fc5eq0wo7dj20zk0qotl3.jpgba446b47gy1fcjaqvekyxj20qo0qoq9g.jpg


6歳になった諾一は、自分の名前が書けるようになったようですよ。




●2011年2月10日 地久天長。──『藍色宇宙/MAKING BLUE』
●2012年2月10日 後朝。──『藍宇』其の弐拾弐
●2013年2月10日 人人平安。──『藍宇』其の燦拾貳
●2014年2月10日 搬家。──『藍宇』其の燦拾勒
●2015年2月10日 切切偲偲。──『藍宇』其の是拾
●2016年2月10日 降冬的故事。──『藍宇』其の是拾翅


| 22:39 | 藍迷。 | comments(4) | - |
Comment








「藍宇」の頃の二人が時間とともに遠ざかる。と共に、レスリーが生きていた時代も遠ざかっていくのだなあ、なんてちょっと寂しく思いました。レスリーがこの映画を気に入っていたし胡軍さんに自分製作の映画をスカウトするきっかけになったからでしょうか、私の中ではつながっているのです。
ホントに時間は確実に経ていて、そのあとにこの世にデビューしたお子さんがずいぶん大きくなって!
それもお二人は10歳も年が離れて世代が違うのに、年の近い男の子が生まれたのが驚きです。レスリーの映画は幻になってしまったけど、お子さんの成長が劉さんと胡軍さんの絆を再び結び付けてくれたのも嬉しい展開でした♪お子さん同志が気が合うと親同士も気が合うものなので、胡軍さんと劉曄さんは本当に相性がいいお二人なんだ!と改めて確認できて嬉しかったです。
なんというか神様が目配せして男の子が生まれる時期を操作してくれたような気がしてしまうのです。

お母さま大変で、お父様も、そして大量の仕事をこなしながら遠距離を行き来している生活のレッドさんもかなり大変そうで、私たちの世代になると親の心配をしてばかりですね。
そして私たち自身も着実に老いを意識しなくてはならないことが多くて、無理が厳しくなってきましたが、お母さまが着実に回復されますように。レッドさんも体調をご自愛ください
posted by himari | 2017/02/12 12:33 PM |
まずはレッドさん、ほんとにお疲れ様です〜(;_;)
なにかと大変かと思いますが、どうぞご自愛くださりませ〜m(_ _;)m

あー…もう16年なんですね。クランクアップした日から。
生まれたこどもが高校生になるくらいの年月で、ぢゃあ、私の『藍宇』6周年て、生まれたこどもが……ああっ!!諾一くんの年月ぢゃないですかっ!!(笑)

『王的盛宴』のころはまわりのおにーさんやおぢさまたちをメロメロにした“ばぶばぶ”こいぬ(笑)だった諾一くんが自分の名前が書けるようになっちゃう月日なんですね!(笑)
…つか、なんですかこの、息子や娘よりかわいらしいおとーさんは(笑)。
そして『ぱぱどこ3』んときの康康くんはまさに6歳だったんですよね。やっぱし大人びてたなあ…。
はあああ♪現在の康康くん、さらにしゅっとしてますね♪
頼りがいのあるおとーさんといっしょで誇らしげ♪
ていうか…ガタイのいいおとーさんといっしょだと余計スリムに見…げほげほ(苦笑)


『藍宇』というと主演のおふたりさんとともに、あの藍宇のお部屋の、朝のカーテンごしの光や、夜のすこーしにじんだような色あい?とか雪の公園の雪に反射した光とかが浮かびます。
永遠に行くことのできない部屋だけど映画のなかに永遠にある部屋。
この季節には特に『籠り』(笑)に行ってしまいます…。
posted by カエル | 2017/02/13 12:13 AM |
>himariさん

どたばたしていてお返事遅くなってすみません。
御言葉ありがとうございます。
貧乏性のならいで、依頼がくるとぱつぱつだとわかってはいてもつい請けてしまうという、長年のパターンが身に染みついております(笑)。
両親亡き後も私はひとりで仕事をして食べていかなければならないし、やっぱり仕事をしてこその私なのだ、ということが今回しみじみわかりました。なのでまあ、健康損ねない程度に休み休みがんばってみようと思います。

2011年からこっち、2月10日には、自分がまだ『藍宇』を知らなかった2001年の同じ日をぼんやり思って、よしなしごとを書き付けたりなどしておりますが。
確かに16年がそこには歴然と流れてしまったわけなんですが、自分の場合、『藍宇』との出会いが公開から遥かに時間が経ってからだったということもあり、あるいは『藍宇』という作品の性質でもあるのでしょうが、そこにあまり時間差を感じません。
28歳で死んだ藍宇という青年そのものがひとつの宇宙で、無限のループをくりかえすその宇宙のなかに、陳捍東もまた、永遠に取り込まれてしまったのだ、という気がします。
演者であるふたりは現実に歳を重ねて、役者としてきっちり仕事をして、おとうさんになって、そんなふうに前に進んでいるわけだけど、16年まえ、『藍宇』という物語そのものにきっぱり呪われてしまったんだなこのひとたちは、という気がどうしてもして。
ミュージシャンにとっての「絶対に越えられないファーストアルバム」なんだなやっぱり『藍宇』は。

私自身は大好きな役者やミュージシャンの夭折を味わった経験が無いのですが、himariさんのようなレスリーさん迷にとって、レスリーさんと自分との関係は、現実の時間を経てどんなふうに進んでいくものなのか。
ちょっと伺ってみたい気がしています。
posted by レッド | 2017/02/18 8:02 AM |
>カエルさん

お返事が著しく遅くなってしまってすみません。たいへん間の悪いことに、レギュラーで請けている雑誌仕事の佳境シーズンが母の手術ともろかぶってしまい、手術室前の待合スペースで校閲作業をするありさま……。
もう一冊の雑誌が来週頭に校了するのでそのあとちょっとお休みするつもりです。

昨年川崎でSさんにお会いしたとき、『藍宇』の撮影に入って己の性的アイデンティティに揺らぎを覚えた胡軍さんが「いや、俺は女を愛する男だ!」ということを確認するためにつくった子どもが九九ちゃんではないか、みたいな話をしましたっけね。
真偽はともかく(笑)その彼女がこんなに素敵なお嬢さんに育ち、加えて孝行もののせがれまで。『藍宇』殺青からの16年が生きたかたちになって此処にある、というかんじがします。
一方劉さんはといえば、むしろこいぬ返りが進行しているような……。
このちょっと老三くさい表情をしているお写真だと、諾一霓娜のほうが年長さんのようにすらみえるのはいかがしたものか……。

でも、『藍宇』との歳月を演者の子どもの成長で知る、というのは佳いですね。私の場合は09年から、ちょうど康康と諾一の生年のあいだなので、まさにこのふたりが自分と『藍宇』、自分と胡軍劉との年表を可視化してくれているわけなんですね。
そういうところも自分にとってこの物語が至ってドメスティックな所以、と言えるかも知れません。
posted by レッド | 2017/02/18 10:41 AM |
<< NEW | TOP | OLD>>