蛇果─hebiichigo─

是我有病。

| CALENDAR  ENTRY  COMMENT  CATEGORY
ARCHIVE  LINK  PROFILE  OTHERS  RECOMMEND
上邪。
長年愛用していた器がふたつ、同時に割れた。正確にいえばひとつがひとつの上に落下して双方が同時に割れた。唐突なことで唖然とし落胆もした。落胆するそばから、新しいのを買えるな、という喜びも湧いてくる。人間関係も一面、そんなものかと思う。「結ばれるときは縁があったねなぞと云うくせに、関係が壊れて別れる段になれば、やっぱり縁がなかったのだねと言い訳する」と、『宮廷の諍い女』はシニカルに語る。一度壊れた器を丁寧に継いで、その景色を愛でつつ使うこの国ならではの美意識はとても好きだが、壊れたという事実そのものは否定も変更もできない。壊れた器物を継ぐ気も無いなら本来の用途を失ってうち捨てられ芥となるばかり。壊れて継いで使って。また壊れてまた継いでまた使う。幾度と無くそうして、かろうじて「器」の体をたもっている満身創痍の景色のなかに、きれいな水を満々とたたえている。その縁にくちびるをつけて水をのむたびに継ぎ目をながめ、「一度壊れたんだったな、これは」と思う。壊れたことの良し悪しはいっさいかんがえない。壊れたという事実、ただそれだけをそのままに認める。認めつつ水をのむ。器の用途を活かしてやり、活かすことで自分も生きていく。「縁」というならばそれはきっとそういうものだろう。邂逅や別離といった局面ではなく、継続だろう。一瞬にして壊れた器に毛ほども未練が無いのは、活かし生きた継続がそこで終わったからだろう。それで良い。はればれとした顔で新しい器を買いにいった。涙がとまらない。風の所為に決まっている。2014年3月11日。



20140311.jpg



上邪

我欲與君相知 長命無絶衰
山無陵 江水為竭
冬雷震震 夏雨雪
天地合

乃敢與君絶



鐃歌十八曲 「上邪」

| 20:24 | 藍迷。 | comments(0) | - |
Comment








<< NEW | TOP | OLD>>