蛇果─hebiichigo─

是我有病。

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上海王征服了二都。
胡軍さん主演の『上海王』が金鹤奖2部門にノミネート(最佳导演:胡雪樺、最具潜力演员:李夢)されているのをみて、これは「2017東京/沖縄・中国映画週間」で上映される可能性が高いのではないか、と思っていました。
9月26日に上映決定のお知らせをいただいて随喜の涙を流し喜びの舞を舞いつつも、しかしなんで原題の『上海王』じゃあなくって『上海キング』というカップやきそばみたいな邦題で公開されることになったのだろうか、という件についてずっと考えてきました。
神奈川県横須賀市に「上海王」という名前の中華料理店が存在しています。念のため特許情報プラットフォーム「商標を探す」で検索してみましたが、「上海王」という名称は商標登録されていませんから、そういう権利問題がひっかかったわけでも無いようだ。胡軍さん主演映画なのか横須賀の中華料理店なのか、検索したひとが混乱するから原題はやめときましょう、ということなのでしょうか。
そんなとこで躓いていても埒があかないので『上海キング』という呼称も(しぶしぶ)使っていますが、私のなかではやはり本作の表題は『上海王』。
そして胡軍さんこそが、正しくその表題を体現する上海王そのひと、なのであります。

「2017東京/沖縄・中国映画週間」で上映決定のお知らせをいただいた二日後。
京都ヒストリカ国際映画祭でも『上海王』が上映されることを知りました。
盆と正月です。
2009年にこのブログを始めて最初に映画祭というもので観た胡軍さんの作品がTIFF2009の『カンフー・サイボーグ/机器侠』、次が2010年東京中国映画週間での『ボディガード&アサシンズ』(日本公開時に『孫文の義士団』と改題)でした。
『上海王』は以来七年ぶりの、私がセミだったら生まれて羽化して死んでいるぐらいぶりの、「映画祭で逢う胡軍さん」だったりもします。七年待たせてくれやがったあげく、いきなり東京と京都で上映という大盤振る舞い。同じ年の十月に三度も胡軍さんとランデブーできちゃうという緊急事態。おめでたいありがたい。ブログ開設八年、しぶとくこつこつ極東の極北から胡軍さんへのらぶーを叫んできた自分への、これは褒美ではなかろうかという気もします。
むろんのこと、二都すべての上映日に上海王に逢いにゆきますよ!

日本公開記念に、スチルと海報まとめ。(クリックすると、おっきくなります)






【開催概要】

●2017東京/沖縄・中国映画週間

会期:2017年10月20日(金)〜26日(木)

『上海キング/Lord of Shanghai』
10月20日 (金) 12時15分開映
10月24日 (火) 18時10分開映
会場:TOHOシネマズ シャンテ スクリーン1


10月24日は上映後、舞台挨拶あり。
ゲスト:胡雪樺(シャーウッド・フー)監督、李夢(リー・モン)

チケットはこちらの上映スケジュールより購入できます。舞台挨拶のある24日は残席半分とのことですが20日はまだまだ余裕あり! ていうか売れてナイ!(号泣


●京都ヒストリカ国際映画祭
会期:2017年10月28日(土)〜11月5日(日)

『上海キング/Lord of Shanghai』
10月31日(火)18時30分開映
会場:京都文化博物館 フィルムシアター


上映後、舞台挨拶あり。
ゲスト:胡雪樺(シャーウッド・フー)監督

整理番号付きチケットはチケットぴあから購入できます。こっちもまだまだ余裕あり! ていうか売れてナ(ry





【『上海王』関連記事まとめ】
驍驍牡馬。(2014.03.18)
不分明的側面。(2015.06.16)
玫瑰花的甜蜜的日子。(2016.06.20)
提名。(2016.12.05)
獲奨。(2016.12.16)
三一八今天是您的生日。(2017.03.18)
| 09:26 | 電影瑣聞。 | comments(6) | - |
邦題・誘拐捜査。
そもそも視聴環境に無いし加入するつもりも無い。
放送情報のチェックなんかもまったくしていなかったのです。
なので本日教えていただくまで、この情報もぜんぜん知りませんでしたよ。
痛恨のきわみですよ。
丁晟監督、劉徳華(アンディ・ラウ)主演、劉・王千源共演の『解救吾先生/Saving Mr. Wu』が、映画祭上映も劇場公開も日本版DVDリリースもなにもかもすべてきれいにすっとばして今月末、『誘拐捜査』という邦題で、日本語字幕付きでWOWOWにて放映される、という驚愕の事態でございます。詳細こちら→


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本作は2015年1月、成龍が長年あたためてきた消防士映画の企画として発表されました。当時の仮題は『最強対手』。
そののち、消防士映画じゃ無いこと、2004年に俳優の呉若甫さん(本作にも刑事役で出演)が警官を装った3人の男に誘拐されるという、ほんとにあった事件をモチーフにした作品であること、『解救吾先生』というタイトルに決定したことが発表されました。
中国での公開は2015年9月30日。評判はとても良いようだし(こちらのレビューが嬉しかった)、劉徳華という大スターさんが主演だけど、まあ全般的にキャストもお話も地味だし、日本公開はどんなもんだろうなあと思いました。なので一年前に香港版Blu-rayお取り寄せしてとっとと観てしまいました。これがすんごくおもしろかったのよ。でも案の定、昨年の映画祭で上映されることも無く、劇場公開のお話もちらとも聞こえてこず。この先日本でこの作品が日の目を見ることはもう無いのかもなあ勿体無いなあ、と思っていました。
そんな矢先に降って湧いたようにWOWOW放映です。
先日CM撮影中に落馬し、復帰まで数ヵ月といわれる重傷を負ったアンディさんのことがずっと気にかかっていて、自分が所持してる数少ないアンディさん作品を順々に観たりしている日々なのですが、このタイミングでの本作放送っていうのもなんか、アンディさんへのエールのように思えてしまったり。


情報を下さったのは玉兎さん(@gyokuto_mei)こと玉兎工作室の神部明世さん。『王的盛宴』の日本公開版『項羽と劉邦 鴻門の会』に字幕を付けてくださった翻訳者様で(そのときにお名前を記憶しました)、こたびの『誘拐捜査』の字幕も担当されたそうです。香港版で観たとはいえ中国語字幕をよろよろ追いかけている状態なので細かい会話の内容とかほぼ把握できていませんから、日本語字幕で鑑賞できることはとてもありがたいこと。で、もしかしたらこの先、こうした形態での中国映画の日本公開は増えていくんだろうか。理想をいえばそりゃ銀幕で拝見したい。しかしハコも回数もエリアも限られてしまう劇場公開よりも、いっそこういうかたちのほうが、より多くの人の目に留まることになるのじゃないかしら。日本語字幕が付いていれば、放映後に劇場公開或いはDVDリリースにだって対応可能ですしねえとか往生際の悪いことを言ってみる。「望みを捨てぬ者だけに道は開ける」んですからね、ええ。

| 23:18 | 電影瑣聞。 | comments(0) | - |
歓迎光臨11。
松の内も過ぎてしまって出遅れも良いとこですが新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
そして、こんな極東の極北で場違いに愛を叫んで恐縮ですが。


ザ・イエロー・モンキー
復活おめでとうありがとう!!!!!



「吉井和哉」というワードの出てくる記事がいったい此処にはいくつあるのだろうと数えてみたらば32個もありました。
『藍宇』ならびに胡軍劉に異常な愛情を傾ける、ただそれだけのために作ったこの場所なのになんだろうこの吉井率、吉井スレイヴっぷりというものは。自分のしでかしたこと乍ら、いまあらためて自分でもびっくりぽんです。そもそも2ヵ月近くかけてはじめて『藍宇』というものについて書いた感想文にしてからが、

泣いても駄目もう帰れない。

という、吉井作詞のザ・イエロー・モンキー楽曲“薔薇娼婦麗奈”の引用から始めているわけです。
1994年発表の、金で手に入れた愛を歌うこの楽曲は、

《真実の皮をはいで 痛くないかい 僕の麗奈》
《この世は金 金さえあれば 恐くないね 僕の麗奈》
《お願いだこの僕と手をつないで地獄を見に行こう》
《頼むからこの僕と腕を組んで地獄を見に行こう》


陳捍東の独白とも聞こえるような科白の釣瓶打ち。
「個人的には『藍宇』裏テーマ」なんてことものちに書いていますが、『藍宇』を観た直後に“麗奈”を聴いて、

『藍宇』を知るまえに私はもう『藍宇』に出逢っていたのか。

なんて思って、ちょっと慄然としたものでした。

そうだった。
すっかり忘れていましたがザ・イエロー・モンキーというバンドは、陳捍東と藍宇が出逢った1988年に結成されたのですよ。
藍宇が此の世を去ったころにザ・イエロー・モンキーは、『PUNCH DRUNKARD TOUR 1998/99』という全113本の地獄巡りに出発し、ザ・イエロー・モンキーがバンドとしての活動に事実上の終止符を打ってひと月のちに『藍宇』はクランクアップを迎え、そして昨日、2016年1月8日に復活したザ・イエロー・モンキーが始動するライヴツアーのその初日は5月11日。私が密林で『藍宇』DVDをぽちった日。忘れようたって忘れられない。
すべては偶然じゃ無いかと、いえばいえます。
止め処無く溺れてしまうものの臭跡を辿ることに生きている時間の大半を費やしていますと、こうした暗合にだって、最早慣れっこではあります。
でも暗合というより必然の為せる業なんだろうと思います。それを呼ぶのはほかならぬ私自身の思いの強さです。えらそうなことを平然と言います。言ったって良いでしょ年始ぐらい。


という、今年も例によってうんざりするほどくそ長尺の前置きを経て。
ザ・イエロー・モンキーの復活と日を同じくして香港から届きました。


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おもしろかった。
勿論、超高速で繰り出されるアル化いちじるしい北京訛りの台詞を簡体字幕で鑑賞しているわけなので、細部はぜんぜんわかっちゃいないのですが。
でもすごく好きだぞこのかんじは、ということだけはわかります。
劉徳華がみせる被虐塗れの美と王千源の弱気狂気綯い交ぜのゲスっぷり、その好対照。モデルになった事件の実際の被害者である呉若甫演じるベテラン刑事の貫禄。『ポリス・ストーリー レジェンド』の、武江のクラブのバーテンさんとか薬屋のおやじとか、劉さんとは『硬漢』以来の仲のかいじゅうさんだって勿論出ていますとも!
そんなメンツにまじって熱血刑事・邢峰を演じている劉さんは、これまでの丁晟作品における飛び道具っぷりをいっさい封じて「ごく普通の人」です。

王千源がこの作品の演技によって台湾金馬奨最優秀助演男優賞にノミネートされたとき、微博経由で目にした感想文がありました。ちょっとうろ覚えなのだが、王千源の極悪芝居は見た目にもわかりやすいから演技派といわれて持て囃されるけど本当に優れているのは劉の芝居のほうだ、みたいな内容だったと記憶しています。劉さんが賞レースから外れたことをくちおしく思うファンの人が書いたんじゃないかと思われます。

実際に観てみたら王千源ほんとうに凄かったので、「うん、まったくもっておっしゃるとおりだ」とは思わなかったですが。

でも、同じ丁晟作品でいえばたとえば『硬漢』の老三みたいな外連とは、今作の邢峰は無縁。地道にこつこつ体を張って誘拐犯を追い詰める、実直でアツい刑事さんという役どころです。派手な銃撃戦を繰り広げるわけでも、中国武術でなみいる敵をぶちのめすシーンがあるわけでも無い。お色気なんか勿論あるわきゃあ無いです。「劉が出演している」という事実がときに見えなくなってしまうほど。これぞ劉が演じなければならない、劉が演じてこそ映える唯一無二のキャラクター、ということではもう、ぜんぜん無い。
それでいて持ち前の「華」はけっして消さない。劉じゃない役者がこれを演じたら映画の空気がまったく違ってしまっていたでしょう。捜査の合間合間にちらりとみせる、ばさばさまつげが翳落とす横顔の、あいもかわらず美しいことったら無い。
こいつはプロの役者として効率良くきっちり期待に応える仕事をしてくれる筈、という監督の信頼を体現したような佇まい。上記の感想文を書いたひとは、おそらくこのあたりのことを言っていたんだろうなあ。


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丁晟作品お馴染みの時間軸の揺らぎとか、「こうあってほしいもんだなあとキャラクターが妄想する直近の未来」を見せるフェイクも勿論健在。監督自身も例によって一瞬だけ出ています。
そしてこれもそんな仕掛けのひとつ──というか監督の劉さんへのラブがだだ漏れた瞬間。
のっぴきならない捜査の最中に、病気の子どもが退院するからおとうさん早く帰ってきてよ、みたいな催促メールが嫁からときどき邢峰のもとに届くのですが。
事件が解決した朝、おとうさんが息子と電話で話すこの場面のこの字幕に、最後の最後で泣かされたねえ。


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2015年公開の「良い映画」トップ10の第8位に選ばれた作品だけど、劉徳華や劉、王千源、そして林雪も出ている作品だけど、派手でも無けりゃ話題性も無いし、日本公開はどうなることやらまったくわかりませんけれど。
日本の劇場で日本語字幕で、このカットを是非とも、見てみたいものだなあ。

| 13:08 | 電影瑣聞。 | comments(2) | - |
中華電影的秋天2015。
かえりみればひと月も更新しておりませんでした。7月終わりからこっちまとまったお休みがまったくとれず、働きづめに働いていたということもありますが、やはり8・25ショックが大きく尾を引いていたとみえます。取り急ぎ中秋節快楽。それすらすでに昨日でした。スーパームーン綺麗でしたね。今宵の月もまだまだ綺麗です。


毎年このタイトルで秋の映画祭についてちっちゃく書いていますが、上記のような理由で出遅れました。横浜中華街映画祭2015はすでに9月19日(土)にプレ開催している始末。出遅れたのはプログラムのラインナップにかくべつ心惹かれるものが無かったせいもあり。『いつか、また』は劇場で観たばかりだし、王家衛の一連の作品もこの春、シネマート六本木さん閉館前の「香港電影天堂・最終章」で随分たくさん上映されていましたから、王家衛迷とは言いかねる自分的にありがたみがほぼありませんすいません。鑑賞環境がどうもあまりよろしくないというのもねえ。特に椅子方面がねえ。会場そのものの雰囲気はとても素敵なんですけれどもねえ。心躍ったといえば「リクエストから 中国・台湾 名作」という枠で上映される『山の郵便配達』ですが、上記のような理由で出遅れた上に1回目の上映(9月27日)は漸うもぎとったお休みで帰省していたため観逃しました。しかたが無い。今週末の上映にうかがいます。




『山の郵便配達』
10月4日(日) 11時30分〜13時05分


チケット発売は当日11時より。詳細は公式サイトでご確認くださいませ。→

しかしそれにしても。『山の郵便配達』は2012年9月に文京区で、2013年5月6月に柳ヶ瀬で、それぞれ上映していただいたというのに、今回の映画祭でもリクエストという冠を戴いているというのに、『藍宇』ときたらだれからも求められていないのだろうかと、ちょっと悲しくなってしまいましたよ。「だれからも求められていない」ということは、無いとは思うんですけれどもね……。

もひとつ、2015東京・中国映画週間ですが。「万難を排して観に行きたい!」という作品はこちら。



『西游记之大圣归来(西遊記 ヒーロー・イズ・バック)』

悟空のビジュアルがなにはさておきかっこよい。
昨年観そびれた呉天明導演の『ソング・オブ・フェニックス(百鳥朝鳳)』も時間が合えば観たいです。『王的盛宴』で范増だった陶澤如さんがでています。チケット販売やタイムテーブルなどについてはまだ発表されていません。おいおい発表になるかと思います。公式サイトでご確認くださいませ。→

| 23:33 | 電影瑣聞。 | comments(4) | - |
不分明的側面。
『爸爸去哪儿3』の第二次撮影もきょうから始まっておりますが、ブログ書いてるひまも無いぐらい仕事がぱつだったりした煽りをくらって先週ドロップされていたこれもいま時分になって記事にしているていたらく。
や、しかし、色がきれいだー。



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赤=朱雀(南)
白=白虎(西)
青=青龍(東)
黄=黄龍(中央)

黒=玄武(北)が無いけど文字の色を黒にして四神相応にしてんのかなあとか。
この海報に無いキャラクターがこれから登場してくんのかなあとか。
中国がやることだけに五行思想とか託けて、いろいろ穿ってしまいます。
監督ヴァージョン予告もでました→《解救吾先生》导演版预告 揭明星绑架第一案



『硬漢』『硬漢2』『ポリス・ストーリー レジェンド』につづいて丁晟導演作品出演となる劉さん。
「警察」という体ではありますが予告なんかちょっとこわいかんじ。ほんとにほんとの警察なのか「いいひと」で間違い無いのか。丁晟導演だけに最後の最後までじつはどうだかわからないんじゃないかという気もしています。そういや去年のいま時分は『ポリス・ストーリー レジェンド』観まくっていたっけなあ。劉さんの場合ただいま絶賛撮影中の『大轰炸』が有無をも言わさぬ抗日映画ですから、ブルース・ウィリス共演だけども日本公開なんかたぶんきっとされやしないでしょう。彼の出演作を思うぞんぶんせいせいと劇場で(シネマートじゃ無いとこで)鑑賞できた2014年は、はるか遠い夢になっていくのやも知れない。
それはともかく予告観たら『火線三兄弟』で劉さんと共演していた李梦(Li Meng)ちゃん(らぶー)が赤毛アタマのギャルで出てるじゃ無いのッ!!


李梦ちゃんといえば。
先日胡軍さんが微博にドロップしてくだすった『上海王』のスチルをみて腰を抜かしたばかりでしたよ。
(1張目の右側の女の子と3張目の紅い服の女の子が彼女)


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百度百科のリンクを辿るとどうも、『上海王』のヒロイン筱月桂を演じているのは彼女みたいで。
これまで余男さん主演と伝えられてきたけどそうじゃ無いのかも。
日本の常識からすると信じられないけど単なるみまちがえで役者を取り違えてしゃあしゃあと報道したりすることも、ふつうにある中華メディアですゆえ。

とはいえ李梦ちゃんが胡軍さんと共演つうのはいやもう一も二も無く嬉しい私が。ほぼ私だけが。ましてや劉さんともふたたびの共演。極北的にはある意味盆と正月です。それにくわえて明日から本格的に収録が始まるであろう、そして早くもデレたふたりのお写真が本日空港にて捕獲されております『爸爸去哪儿3』第2期収録・捍東藍宇愛・おぼえてますか編(仮)。
シネマート六本木閉館にともなっていろいろ燃焼したり消耗したり期待したり落胆したりしてきたここ数ヵ月。
萌への林を過ぎて萌への林に入りぬ萌への林に入りてまた細く道はつづけり。
以後もますます、そんな日々のようです。

| 22:25 | 電影瑣聞。 | comments(4) | - |
六本木でrendez-vous・晩春御名残興行大哥頂上対決アゲイン篇。
2013年灼熱のアウガスト、東京都文京区で敢行された大哥頂上対決篇もとい第493回現代中国映画上映会で相見えて以来、2年近くぶりの胡軍・張涵予ダブル大哥、こたびは港区で邂逅です。シネマート六本木さん閉館特別企画「香港電影天堂 最終章」の終尾を飾る「『モンキーマジック』公開記念 ドニー・イェン祭」の一環として『孫文の義士団』が上映されます。現時点でタイムテーブルこんなかんじでございます。

●5月16日(土)
【SC2】16:10 イップ・マン 序章(※)
    18:45 イップ・マン 葉問(※)
【SC3】11:20 クライム・キーパー 香港捜査官
    13:10 アイアンモンキー
    15:40 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱

●5月17日(日)
【SC2】15:50 孫文の義士団(※)
    18:45 捜査官X(※)
【SC3】11:20 レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳
    13:20 スペシャルID 特殊身分

●5月18日(月)
【SC2】16:10 ウォーロード/男たちの誓い
【SC3】10:30 アイアンモンキー
    12:50 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱

●5月19日(火)
【SC2】19:10 かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート(※)

●5月20日(水)
【SC2】16:10 捜査官X(※)
【SC3】10:30 アイアンモンキー

●5月21日(木)
【SC2】16:10 イップ・マン 序章(※)
    19:10 イップ・マン 葉問(※)
【SC3】10:30 スペシャルID 特殊身分
    12:50 レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳

●5月22日(金)
【SC2】16:10 かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート(※)
【SC3】15:40 クライム・キーパー 香港捜査官


(※)はフィルム上映。

5月17日(日)に『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』→『スペシャルID 特殊身分』→『孫文の義士団』の順に観て。
5月20日(水)に『捜査官X』観て。
5月21日(木)に『葉問』『葉問2』観て。
5月22日(金)に『龍虎門』観たいなあ。
なんて胸算しております。並行して猿映画も5月16日(土)から公開。5月16日から22日(金)までのタイムテーブルはこちらごらんくださいまし。


ええと。
17日のプログラムが誂えたかのように黄渤さん→張涵予さん→胡軍さんの順にきれいに並ぶ一件なんでございますが。


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かつて劉燁さんに大哥と呼ばれた男・胡軍バーサス張涵予のダブルあにき頂上対決に、電視劇『火線三兄弟』で劉燁さんに弟弟と呼ばれた男・黄渤さんが奇しくも一枚噛んでみました的なかんじになっておりますが。
こたびの御名残興行には『藍宇』の影も無くてどうもすまんかったというシネマート六本木さんの粋な罪滅ぼしなのか。万にひとつもそんなわきゃあ無いですよ。火の無いところに付け火をしてでも煙を立てたい『藍宇』馬鹿一代の私だってさすがにそうおもいます。であればこれは天啓というものでしょうか。舒淇さん黄秋生さん張頌文さん霍思燕さん景甜さんといった上記作品にご出演の、かつて劉燁さんと共演なさった演員さんたちの姿を拝みつつ追憶の銀幕の彼方に劉燁さんを偲んでおれと。ライフタイムスクリーン。これも人生の修行ね。喝。

| 17:21 | 電影瑣聞。 | comments(2) | - |
香港電影天堂・最終章。
シネマート六本木さん閉館企画の一環として、「香港電影天堂 最終章」が4月25日から始まっています。
詳細→

プログラムが徐々に発表になってゆくあいだ、もしかしたら『藍宇』の上映があるんじゃああるまいかそうなったら一日一回は劇場に行くからお仕事とかいろいろ調整せねばなるまいな、うむ。とか思っていたのですが、かなしいほどあっさりスルーしていただきました。くくく。

4月30日までは仕事ぱつ状態で身動きいっさいとれず、昨日5月1日に漸く1本、観ることができました。『誰かがあなたを愛してる/秋天的童話』。周潤發・鍾楚紅主演。第7回香港電影金像奨で作品賞、第24回台湾金馬奨で男優賞を獲った作品ですが、日本公開当時そういう情報が自分のなかにあったのかどうか。あったとしてもいまほどありがたみをかんじていなかったと記憶しています。周潤發のありえない足の長さに終始眩暈をおぼえつつ、当時もそして昨夜も、観ていたように思います。ツインタワーがまだ健在だった2000年7月にひとりでニューヨークへ行きましたが、その衝動の底にはたしかにこの映画があったのだ。そんなことも思い出しました。『男たちの挽歌II』のケン(マークの双子の弟)のキャラクターは本作で周潤發が演じたサンパンがもとになっているということは90年頃に知りました。

「チョウ・ユンファ最高によい。役者としてのかっこよさとか顔立ちのよさとかそーゆーとこじゃなく、うまいことばが見つからないけど、もし私が男で映画の登場人物だったとして、このひとが私のとなりにいて、お互いつらい立場にいるんだけどもポンと背中をたたいて私の目をのぞきこんで、『しんどいなあ、けど、ま、やってみるかい?』と云ってあのとろけるような凄味のある笑顔をみせてくれたとしたら、私は他の誰でもない、このひとのためだったら命をなくしてもかまわないと思うだろう。ほんとうにそうなんだ。こんなひとがいるんだなあ。奇蹟だなあ。このひとがアジア人でほんとうによかった。同じ時代で、年も近くて、彼の映画をリアルタイムに見れてほんとうにうれしい」

『男たちの挽歌II』を観たあと、1990年3月17日、胡軍さんの誕生日の前日の日記にそんなことを書いていました原文ママ。そこから25年がたちました。シネマート六本木さんの1階トイレ横の壁はただいまこのような状態です。


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「香港電影天堂 最終章」、このあとは、時間が許せば以下のようなかんじで観たいと思っております。

【5月3日・日祝】
10:50 上海グランド
13:40 ブエノスアイレス

【5月5日・火祝】
16:10 燃えよ!じじぃドラゴン!

【5月6日・水・振替休日】
16:10 インファナル・アフェア
19:00 インファナル・アフェアII

【5月8日・金】
13:25 密告・者
19:00 インファナル・アフェアIII


5月9日以降のタイムテーブル発表前に上記のように決めたわけですが、5月9日以降もまだまだ上映してくださるもよう。14日(木)の『玻璃の城』と15日(金)の『ビースト・ストーカー 証人』もちょっと観たいなあ。そしてやはりそのあとにくる「『モンキーマジック』公開記念 ドニー・イェン祭」とやらが。

●クライム・キーパー 香港捜査官
●ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー
●かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート
●イップ・マン 序章
●イップ・マン 葉問
●捜査官X
●孫文の義士団
●レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳
●スペシャルID 特殊身分


『イップ・マン』以降は劇場で観てるけど、なんどだって観たい。
『孫文の義士団』には胡軍さん、『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』には黄渤さん、そして『スペシャルID 特殊身分』には張涵予さんがもれなくついてまいるという非常俺得プログラム。そしてそんなまつりのあいだには、第6回金除箒奨でドニーさんに最令人失望男優員賞をもたらした『モンキーマジック 孫悟空誕生/西遊記之大鬧天宮』が5月16日にお名残公開という事態。ドニーさんの来し方行く末をあらためて検証する絶好の機会とも、いえるのではないでしょうか。

| 22:51 | 電影瑣聞。 | comments(6) | - |
為親愛的演員。
第34回香港電影金像奨が発表になりました。

映画賞とかそんなに興味が無いほうですが、ラブな演員さんとその作品がノミネートされていたり、お友達が現地特派員(笑)としてレッドカーペット脇でうちわを持ってスタンパっていたりしたので、仕事に追われながらもちょいちょい気にしてはおりました。主な受賞結果は以下のとおり。

●最佳電影(Best Film):黄金時代(The Golden Era)
●最佳導演(Best Director):許鞍華(黄金時代)(Ann Hui On Wah [The Golden Era])
●最佳男主角(Best Actor):劉青雲(竊聽風雲3)(Lau Ching Wan [Overheard 3])
●最佳女主角(Best Actress):趙薇(親愛的)(Zhao Wei [Dearest])
●最佳男配角(Best Supporting Actor):曾江(竊聽風雲3)(Kenneth Tsang [Overheard 3])
●最佳女配角(Best Supporting Actress):王菀之(金鶏SSS)(Ivana Wong [Golden Chicken SSS])
●最佳動作設計(Best Action Choreography):甄子丹、董瑋、元彬、厳華(一個人的武林)(Donnie Yen, Stephen Tung Wai, Yuen Bun, Yan Hua [Kung Fu Jungle])
●最佳両岸華語電影(Best Film From Mainland And Taiwan):帰来(Coming Home)


ラブな演員さん(黄渤さん)とその作品(『親愛的』)はどちらも受賞を逸しました。香港電影迷の方の御意見なんかを仄聞しますと、最優秀主演男優賞は劉青雲さんが獲るのが当然、という見方が圧倒的であったように思います。個人的には『魔警』の呉彦祖さん(授賞式はご欠席)もしくは黄渤さんが獲っていればいまじぶんは喜びの舞を舞っていたところですがそうはまいりませんでした。くちおしさのあまり黄渤さんの画像をまとめて貼っておくわい。


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『親愛的』チームからは趙薇(ヴィッキー・チャオ)が最優秀主演女優賞に輝きました。おめでとうございます。映画もうネットで観てしまいましたが、あのチャーミングな別嬪が、ほっぺにあかぎれこしらえたまずしい農家のおばちゃんになりきって(そんな恰好でも別嬪は隠れようも無く別嬪なのですが)、なりふりかまわぬ芝居をしていました。今回の女優賞受賞である意味作品そのものにも箔がついたわけで、日本公開の可能性もおおいにあるのではないでしょうか。重く、痛く、やりきれない内容ではありますが、たくさんの人に観ていただきたい映画です。

嬉しかったのは最優秀助演男優賞を曾江(ケネス・ツァン)さんが受賞なさったこと。同賞には王宝強(『一個人的武林』)もノミネートされていたため、どっちかが獲ったらいいのにな、と思っていました。うれちい。昨年『花様爺爺』の荷担ぎ奴隷として曾江さんにそれはそれはお世話になった劉さんも、きっと喜んでおられることでしょう。

記事書くんで同賞の公式サイトに行って、ついでに過去の記録なんかも見ていたんですが。13年前、02年の第21回香港電影金像奨における『藍宇』。

●最佳電影
●最佳導演(關錦鵬)
●最佳編劇(魏紹恩)
●最佳男主角(胡軍、劉)
●最佳女配角(蘇瑾)
●最佳撮影(楊濤、張健)
●最佳剪接(張叔平)
●最佳美術指導(張淑平)
●最佳原創音楽(張亜東)


9部門にノミネートされています。残念ながらいずれも受賞はなりませんでした。もしも『藍宇』に病み果てた、『藍宇』病罹患者、『藍宇』馬鹿一代の私が2002年の時間を生きていたとしたら、最優秀主演男優賞で胡軍さんと劉さんが肩を並べるという目の潰れそうな煌びやかさ勿体無さを、いったいどううけとめていたでしょうか。
胡軍さんは25回(06年)に『長恨歌』で最優秀主演男優賞に、劉さんは26回(07年)に『王妃の紋章』で最優秀助演男優賞にそれぞれノミネートされていますが、ふたりが同賞で顔を合わせることは02年の第21回を最後にこれまで絶えて無いのです。
遣る瀬無いにゃあ。
今年の結果はそっちのけで(ごめん)、畢竟、思いは其処に落ちてゆきます。
| 12:34 | 電影瑣聞。 | comments(6) | - |
鯔背的哥哥。
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张涵予时尚先生双封 优雅“老炮儿”来袭


火事とけんかと 一番まとい
そいつはおいらに
まかせておきな



舟木一夫の“火消し若衆”なんかつい口ずさんでしまいたいです。若衆ってお齢じゃ無いんだけれど、無理は承知で火消し装束着せて芝神明で喧嘩させたいんです。印半纏とか腹掛けとか六尺とか雪駄とか、なんかもう異常な迄に似合うんじゃないでしょうか中国の御方ですのにもうもうっ。このお写真みたく葉巻くわえてご登場あそばすことが昨今は多いですが、葉巻もお素敵だけれども煙管はまちがい無くもっとお素敵にきまっています。羅宇の長いやつじゃなくって銀の鉈豆煙管とかが佳いわ。金唐革の煙草入れに凝った象牙の根付なんかでさ。あとスーツの下に晒巻いて匕首呑んでてください。どうもわたしという奴は、いきで鯔背な男稼業のかほりをむんむんさせるおにいさんにDNA的に弱く出来ている。


そんな張涵予さんが出ていらっしゃる『スペシャルID─特殊身分─』を先日、女王蜂のライヴ前に新宿武蔵野館で観たんですけれど。
ドニーさんはええ勿論宇宙最強にお素敵であらしゃいましたし、ま、そのほかにも鄒兆龍と鄭中基が男便所でランデブーとか個人的によこしまなお愉しみだってあったわけですけれど、ほとんどカメオに近かった張涵予さんひとりにハートかっさらわれてしまいまして。
とある男を殺すために雇われた殺し屋・刀鋒(名は体を表すなあ)という役どころで、黒のハンチングに黒のサングラス、黒のショートコートに黒のパンツという絵に描いたような殺し屋ルック(以下写真参照)、おもわず『コネクテッド』の劉燁さんが彷彿する出で立ちですが、勿論『コネクテッド』の劉燁さんよか運動神経も良けりゃ射撃も巧いにきまっていました。





考えてみたらドニーさんとは『孫文の義士団』において護る側(沈重陽)と護られる側(孫中山)で、こたびはそれが奇妙に捩れているという、そのへんもちょっとずきずきします。刀鋒の登場シーン、ぜんぶ合わせてもたぶん10分にも満たなかった。台詞もほぼゼロだった。魔のようにあらわれて声も無く笑いながらドニーさんを甚振って景甜ちゃん演じる大陸の女刑事・方静に射殺されてあっというまに死体になってしまう。『スペシャルID─特殊身分─』という映画においてこのひとの存在っていったいどういうことだったのと茫然自失しながら世にも美しい死に顔に見惚れていたわたし。

本作でのドニーさんの武闘はまるで性行為のような駆け引きをかんじさせるもので、はりつめた皮膚の下の肉の昂ぶりが生な湿り気といっしょに伝わってくるようで、武蔵野館の暗闇で「おおぅ」とか息をのんだりしてたのですが。ひきかえ張涵予さんは殺しの手段が徹底して銃器で、肉体の交換はドニーさんの首をうれしそうに絞める場面を除けばいっさい無い。天才的射手という点では『厨子戏子痞子』『火線三兄弟』のセルフパロディみたいで、勿論そのへんにもずきずきだったのは言うを俟ちません。スコープを覗き込む猛禽の眸と、愛すべきものへの手向けの微笑。糸引くようなその落差にぞっこんです。


そんな張涵予さんと姜文さん胡軍さんを掛け合わせて禁断の悪戯をやらかす中国の同志とかやっぱりいやがりました。しょうもないけどちょっとイイ(笑)。こそこそみてネ。→

| 23:35 | 電影瑣聞。 | comments(6) | - |
有関演員。
貧乏暇無しであまり劇場に行けぬ私の2015年映画始めは、刁亦男(ディアオ・イーナン)監督、廖凡(リャオ・ファン)主演の『薄氷の殺人/白日焔火』でした。


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とてもおもしろかったです。
ご存じのように第64回ベルリン国際映画祭で金熊賞&銀熊賞(男優賞)をダブル受賞した作品です。欧米の主要な映画祭で賞を獲りましたあるいは欧米の主要な映画祭に出品されましたという御墨付きがあればこそ、本作の日本公開も叶ったのだろうなあという気はしますが、御陰様で銀幕で逢うことができました。廖凡に。


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「胡軍さん劉燁さんと共演した」ということをきっかけにその存在を知り、このひと芝居うまいないい役者だなあと好きになっちゃった演員さんが黄渤さんはじめ何人かいますが、廖凡もそのひとり。顧みれば御両所とはこんなに共演していましたよ。

『好奇心は猫を殺す(好奇害死猫)』
『戦場のレクイエム(集結号)』
『落葉帰根』
『さらば復讐の狼たちよ(譲子弾飛)』
『用心跳』
『建党偉業』
『北京無戦事』


ワイルドな乱暴者からインテリ大学教授まで、演じる役柄が自在なひとです。『薄氷の殺人』ではこれまた一筋縄ではゆかぬもと刑事の主人公を、凄味と軽みの均衡も絶妙に演じています。無器用で野暮臭い佇まいから滲みでるえろーすがたいそう素敵でありますよ。あと2回ぐらい観たい。貧乏暇無しだけど。

さてそんな貧乏暇無しであまり劇場に行けぬ私なので、2015年2本目の映画は2月14日(土)、呉彦租(ダニエル・ウー)×張家輝(ニック・チョン)の『クリミナル・アフェア 魔警』(シネマート六本木)になるかと思います。


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窶れはてたひこさんがソウビューティフル。だが予告はこわい。


2月21日(土)は『スペシャルID 特殊身分』(新宿武蔵野館)初日かちこみを致す所存。
●公式サイト→


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『孫文の義士団』からこっち、ドニーさんの映画がかかればほぼ劇場にでかけて行ってます。ドニーさん迷といえるとこまでは行ってませんが、俺様とか宇宙最強とかいわれているわりにはなんかどうもこう、ほっとけないかんじがするといいますか。そのほっとけなさにほだされて、うっかり劇場にでかけて行ってしまうのかもしれません。先日、北京武術隊時代に李連杰の姉弟子だった李霞老師にお会いする機会に恵まれまして、同時期に北京市業余体育学校に在籍していたドニーさんのお話なんかもこそこそ伺ってしまいました。そんなかんじでいやましにほだされていきそうな予感もしますがほだされなくても『スペシャルID 特殊身分』はキャストをみても自分的になにかとスペシャルです。
上の海報でもおわかりのように、まず張涵予さん(きゃーきゃー)と景甜ちゃんが殺し屋と女刑事役で共演。
脇を固めるのは『四大名補/ドラゴン・フォー』のおかげでびみょうにお熱が上がりつつある鉄手にいさん&追命にいさんこと鄒兆龍(コリン・チョウ)と鄭中基(ロナルド・チェン)。さらにめっぽうわたくしごのみのお顔の持ち主、尹子維(テレンス・イン)までも揃うという嬉しいラインナップ。

そして、公開までにそれはそれは山あり谷ありだったという点でも本作はある意味スペシャルかも知れません。

【発端】
2012年上半期の中国映画界最大のトラブル!ドニー・イェンVSチウ・マンチェク、ガチ勝負勃発!

【発展】
谷垣健治さんの著書『アクション映画バカ一代』にもこの騒動のことが書かれていて、それによれば、

ネットユーザーがドニー擁護派と趙文卓擁護派に分かれて激論

趙文卓擁護派がドニーさんを擁護した人の微博に罵詈雑言を書き込む

ドニー擁護のメッセージを発信した舒淇さんの微博に、趙文卓擁護派により過去のヘアヌード写真が大量投下される

舒淇さんはショックを受けて微博閉鎖

舒淇さんの過去のつぶやきがすべて削除されているのを見たときには胸が痛くなりました。
こうしたことがあったので、劉燁さんが趙文卓と共演すると決まったときには非常に複雑な気持ちになったものでございます。劉燁さんは舒淇さんと何度も共演しているし、勿論この騒動も知っていただろうし、その上で趙文卓と共演という「お仕事」については彼自身いろいろな思いもあったのではないかなあ、などと揣摩憶測の翼をひろげてみたり。

『スペシャルID 特殊身分』をめぐるトラブルと、それがどのように泥沼化していったかの詳細は、飯星景子さんがご自身のブログに書いておられます。
日本で誰も書かないから書いてみた、大陸監督檀冰の事。

1本の映画には数多の人間がかかわります。
だから1本の映画のなかには、そうした数多の人間の数多の感情が、良いものも良くないものも混淆して、人知れずこめられているものなんでしょう。
ひとりの役者をきっかけに自分の地図もひろがってゆくし、その道程では自分自身の数多の感情もなにかと揺さぶられるものです。それこそを醍醐味と、いうのかも知れません。



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